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シニアレジデントについて

シニアレジデント研修プログラムの概要

横須賀共済病院のシニアレジデント研修プログラムは、内科系・外科系・その他に大別される。
いずれも、2年間の初期臨床研修を修了した医師を対象としており、ローテーションを含めて幅広い研修が可能である。

目的
専門的な能力を有する指導医の下で豊富な症例を経験し、優れた臨床能力と人間性をもつ医師を養成すること。
研修期間
原則として3年間とする。
研修内容
研修コースは(1)内科系、(2)外科系、(3)その他に大別される。
希望した各診療科でのストレートプログラムを基本とするが、(1)については、ローテーションプログラムとストレートプログラムを設ける。

(1) 内科系研修プログラムと各診療科の紹介

ローテーションプログラムとストレートプログラムに大別される。

ローテーションプログラムは3年間、内科専門科各科(消化器内科、血液内科、内分泌・糖尿病内科・呼吸器内科・腎臓内科・循環器内科)および小児科(選択)をローテーションして、内科全般の知識、技量を身につけることを目的としたプログラムである。選択期間を利用して、内科関連領域(皮膚科、放射線科、救急科など)の研修を行うことも可能である。ストレートプログラムは希望する専攻科での研修を基本とし、専門医の養成を目的とする。3年間専攻する内科専攻科での研修を行う(A)コースと、最初の1年間は内科各科のローテーションで基礎を広く修める(B)コースのいずれかを選択する。各専門科にて学会認定医、専門医の資格取得が可能となるような研修を行う。

内科専門科各科の研修内容
内科系コース研修プログラム
ローテーションプログラム

消化器内科

指導責任者 池田隆明(消化器病センター長・部長)

当院は病院機能評価認定証取得病院、地域支援病院および地域がん診療連携拠点病院の認定施設である。地域の基幹病院の消化器内科として、いつでも対応できる高水準の医療を提供するため、消化器外科、放射線科、病理科と密接な連携を保ち、消化器疾患全般にわたる診断・治療を、先端医療機器を駆使して行っている。2008年6月に消化器内科と外科(消化器系)による消化器病センターが開設され、より一層合理的で高度な診療が可能になった。特に胃・大腸疾患の診断・内視鏡下治療および慢性肝炎・肝硬変・肝癌の早期診断・治療には特に力を注いでいる。
日本消化器病学会(指導医 池田、小林、鈴木)、日本肝臓学会(指導医 池田)、日本消化器内視鏡学会(指導医 池田、小林、鈴木)の指導施設であり、消化器内科には15名の医師が所属している。
診療実績は、病床数は70床で、外来患者数1日平均200人、入院患者数1日平均70人である。

1. 年間検査件数
  • 上部消化管内視鏡検査 6,600件
  • 下部消化管内視鏡検査 2,100件
  • 内視鏡下逆行性胆管膵管造影(ERCP)  240件
  • 超音波内視鏡 80件
  • 腹部超音波検査 3,600件
  • 腹部血管造影 250件
  • 超音波下肝生検 50件
  • 早期胃癌の内視鏡下粘膜切除術、粘膜下層剥離術治療 75件
  • 内視鏡的止血術 220件
  • 食道静脈瘤破裂に対する結紮術・硬化療法 50件
  • 下部消化管内視鏡下ポリープ切除術 410件
  • 経皮経肝胆道ドレナージ 20件、ERCPドレナージ 70件
  • 悪性胆道狭窄に対するステント留置術 30件

当院透析センターとの連携により、劇症肝炎に対する血漿交換・血液濾過透析、潰瘍性大腸炎に対する白血球・顆粒球除去療法にも積極的に取り組んでいる。
B型慢性肝炎に対する抗ウィルス治療やC型慢性肝炎に対するpegIFN・リバビリン併用治療を積極的に行っている。
肝癌の年間の入院数は延べ225例である。治療は、肝動脈塞栓術が140件、外科的肝切除が20件、ラジオ波焼灼術が20件である。

2. 医療設備

各種電子内視鏡、超音波内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡、ヘリカルCT、MRI、超音波診断装置、血管造影装置(DSA)、RI検査設備、リニアック、外来化学療法室など

3. シニアレジデントプログラム

原則として3年間のプログラムである。消化器内科専門医として活躍できる知識・技術の修得を目標にしている。

【1年次】
外来診療(週1?2回)、入院患者5?10名の主治医となり診療を行う。消化器疾患の診断・治療を理論的根拠に基づいて行えることを重要視する。上部・下部消化管造影、腹部超音波検査、上部消化管内視鏡の修得を前期で行う。後期はこれに加えて下部消化管内視鏡の修得を行う。全期間を通じて、CT・MRIの読影法を修得する。
【2年次】
外来診療(週1?2回)、入院患者5?10名の主治医となり診療を行う。上部・下部の通常の内視鏡観察、診断、生検を完全に修得する。内視鏡下逆行性胆管膵管造影(ERCP) を指導医のもとで施行し、修得を目指す。後期よりは、指導医のもとで侵襲的・観血的治療手技を開始する。
【3年次】
外来診療(週2回)、入院患者5?10名の主治医となり診療を行うとともに、ジュニアレジデントの指導にあたる。
内視鏡的止血術、内視鏡下治療、経皮経肝ドレナージ、経皮的肝癌の局所治療などより専門性の高い手技を指導医の基で修得する。 3年間を通じて日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会など消化器関連の学会に積極的に参加し発表を行い、認定医、専門医資格の取得を目指す。

血液内科

指導責任者 豊田茂雄(血液内科 輸血科部長)

横須賀*三浦半島地域の基幹病院として地域医療の中心的役割を担っています。
日本血液学会認定血液研修施設の認定を受け、指導医1名、専門医1名が在籍しています。
入退院患者さんは、25-35人前後で、平成21年度疾患別人数は、延人数387名で

  • 急性骨髄性白血病 32人
  • 急性リンパ性白血病 2人
  • 慢性骨髄性白血病 9人
  • 慢性リンパ性白血病 2人
  • 骨髄異形成症候群 23人
  • 悪性リンパ腫 204 (ホジキンリンパ腫2、非ホジキンリンパ腫202)人
  • マクログロブリン血症とヘアリー細胞性白血病 5人
  • 多発性骨髄腫 64人
  • 再生不良性貧血 2人
  • 特発性血小板減少性紫斑病 2人
  • その他の貧血(自己免疫性溶血性貧血夜間発作性血色素尿症など) 7人
  • 凝固障害(血友病など) 3人
  • 成人T細胞白血病 9人

となっており、非常に多彩な症例の診療を経験出来ます。
無菌室4床を有し、自家末梢血幹細胞移植も行っており、後期研修に適した環境が整っています。
また、日本輸血*細胞治療学会の指定施設として認定を受けています。
忙しい環境ではありますが、楽しく学び、3年間を通じて、専門医資格の取得を目標としています。

内分泌・糖尿病内科

指導責任者 青木一孝(内分泌・糖尿内科部長代行)

当院は、横須賀、三浦地区の基幹病院であり、当科はその中で、内分泌・糖尿病疾患の診断と治療を行っております。
現在、日本糖尿病学会専門医・指導医1名、日本内分泌学会専門医・指導医1名が在籍しており、日本糖尿病学会の認定施設となっています。
日常臨床では、糖尿病、脂質異常症、肥満症などの生活習慣病および間脳・下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎疾患などの内分泌疾患症例を受け持ちます。
また、当院は症例数が多く、生活指導・食事指導など、生活習慣病に対する包括的な治療を学べます。
研修を通じて、診断に必要な検査を計画し、理論的な治療を実施する能力を身につけてほしいと思います。

呼吸器内科

指導責任者 大河内稔(呼吸器内科部長)

当院は横須賀・三浦地区の基幹病院であり、呼吸器内科としても地域治療に参加し、肺癌、肺気腫、喘息、肺炎などの多彩な胸部疾患の症例に対応することが可能である。
病床は70床であり、入院疾患は肺癌などの腫瘍性疾患50%、感染症が20%、COPD 18%、間質性肺炎 5%である。
平成22年度より、病棟を呼吸器外科と併せ呼吸器センターとして稼働している。
外科へのスムーズなコンサルト及び、手術後のfollowを協同して行っている。
当科の特徴としては、診断・治療において、病理部・呼吸器外科・放射線科との協力体制が整っていることである。特に、病理部には肺病理を扱える病理医が2名おり、国内屈指の病理診断能力を持っている。そのため、稀な疾患の診断が可能で、当科の症例報告数も多くなっている。
横須賀地区は造船の町であり、以前より石綿関連胸膜肺疾患が多く、特に胸膜中皮腫の症例は多い。そのため、厚生労働省の依頼を受け、じん肺・石綿健診を通して石綿暴露者の健康管理も行っている。
横須賀市保健所・医師会と協力し市民検診・及び結核を含めた感染対策に参加している。
 診断手技については、超音波内視鏡を含む気管支鏡を始め、CT下生検、ステントなど大概の検査・処置は可能である。また、必要と判断すれば、近隣の呼吸器専門病院(国立がんセンター、癌研有明病院、神奈川県立がんセンター、神奈川県立循環器・呼吸器病センター等)に相談することもできる。また、医師会・保健所と協力し勉強会も多く、最新の知識を得ることが可能である。

シニアレジデントプログラム

原則として3年間のプログラムである。
呼吸器内科専門医として活躍できる知識・技術の修得を目標にしている。
内科医としての知識も必要なため期間内に内科認定医になるよう努力する。 日本呼吸器学会認定施設、呼吸器内視鏡学会関連認定施設である。

【1年次】
外来診療(週1回)、入院患者5~10名の主治医となり診療を行う。担当患者の病状をカンファランスにて発表し、上級医の指導を受ける。患者のサポート、特に癌の緩和ケア・在宅酸素などについて理解を深め、病診連携・病病連携体制を実感してもらう。身体障害者、結核発生、労災などの公的書類について勉強して、適切に運用できるようにする。処置については、気管支鏡・胸水穿刺・トロッカー挿入などを、上級医の指導を受け経験する。胸部レントゲン・CTの読影、動脈ガスの評価ができるようにする。
【2年次】
外来診療(週1~2回)、入院患者5~10名の主治医となり診療を行う。カンファランスにおいて積極的にディスカッションに参加するようにする。1年目で理解できたことを実践していく。気管支鏡による挿管・気管内吸引などの緊急処置を経験し、実践できるようにする。勉強会・学会において症例の報告ができるようにする。胸部健康診断のレントゲン読影業務に参加する。
【3年次】
外来診療(週2回)、入院患者5~10名の主治医となり診療を行うとともに、ジュニアレジデントの指導にあたる。診断手技・検査について自らその必要性と危険性を判断して実行できるようになる。呼吸器専門医としての立場・責任を認識することができる。 3年間を通じて日本呼吸器学会、日本肺癌学会、呼吸器内視鏡学会など呼吸器関連の学会に積極的に参加し発表を行い、認定医、専門医資格の取得を目指す。 国内留学の機会を利用して、他の病院での呼吸器研修を行い見聞を広めてくる。

腎臓内科

指導責任者:田村禎一(腎臓内科部長)

横須賀共済病院腎センター(腎臓内科)では横須賀、三浦半島地区の基幹病院として、24時間体制で腎臓疾患患者の診療に当たっている。我々の治療対象は横須賀・三浦半島地区の透析患者の8割以上に当たる約1000人やそれに倍する保存期腎不全患者や腎疾患および高血圧症患者であり、三方が海という地理的な特性からも我々に課せられた責任は大きく、地域の他病院や医院・診療所、当院の内科系・外科系他科や透析サテライト施設とも連携しながら責任を持って診療している。 当院は、当科の関係では日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会の教育指定施設であり、8名の医師が所属している。入院病床数は36床、透析室病床数は23床を有し、平成21年度の実績で腎臓内科病棟への入院数年間721例、年間外来患者数はのべ19,026人、透析患者数は入院・外来合わせて約40人/週。年間の透析導入患者は約121例、年間シャント関連手術件数は353件、シャントPTA 239件、腎生検36例と症例は非常に豊富である。 後期研修の3年間でスタッフ医師のもと多くの症例の経験ができ、電解質管理をはじめとして、急性・慢性の腎疾患の診断・治療、血液浄化療法については血液透析・腹膜透析・血漿交換・血液吸着療法などほぼすべての方法、シャント手術やPTAによるシャント再建などを習得することができ、内科認定・専門医、腎臓内科、透析専門医を目指すに十分な研修を行うことができる。

循環器センター 内科

指導責任者 高橋 淳(診療部長 循環器センター長)

横須賀共済病院循環器センター内科は、横須賀、三浦半島地区の基幹病院として心臓疾患を中心に24時間の受け入れ体制を整えている。 当院心臓血管外科と密接な連絡を保ち、CCU18床、一般病棟53床にて診療を行っている。 当科は、日本循環器学会の専門医研修施設であり、日本循環器学会専門医5名、他循環器医が10名の計15名で勤務体制としています。 2009年、主な症例数は、経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)の総数1008例・ペースメーカー植え込み術172例・植え込み型除細動器24例・ 経皮的冠動脈形成術464例・冠動脈造影検査927例である。カテーテルアブレーション数は、全国1位、全国より多くの紹介患者を受け入れている。3年間の研修で多くの症例の経験ができ、検査及び治療手技、CCUにおける重症心不全患者などの集中治療を学ぶことができる。また、3年間を通じて日本循環器学会などの国内及び海外の循環器関連学会に積極的に参加発表を行い、専門医の取得を目指すことができる。

(2) 外科系研修プログラム

診療科ごとにプログラムが設定される

外科専門科各科の研修内容

外科

指導責任者 舛井秀宣(外科部長、消化器病センター副センター長)

1. 理念

三浦半島の機関病院の外科として、消化管、肝胆膵など消化器疾患、乳腺・甲状腺、ヘルニア等の一般外科に対して、現時点で最高水準の治療を提供すること理念としている。 また、“患者と周囲の人に信頼感をもたれること”、“仕事するときは集中し、遊べるときは遊ぶ”をモットーとし修練中の若手医師を教育している。

2. スタッフと診療体制

スタッフは15名で、シニアレジデントは3年目が1人、2年目が2人、1年目が1人、また常時4人程度の初期研修医が研修中である。 スタッフのうち、日本外科学会に認定された専門医が8人で、うち4人は指導医も取得している。同様に日本消化器外科学会がそれぞれ5人と4人、日本消化器病学会が4人と3人、日本肝臓学会が1人と1人、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医が3人、日本内視鏡外科学会技術認定医が1人、日本がん治療認定医機構の認定医が5人である。 入院患者の受け持ちはグループ制で、4グループ体制としている。各グループは専門の異なる部長、医長がトップとなり4人程度の医師で構成されている。 なお、平成20年度より消化器病センターを発足し消化器内科との密な連携を行なっている。

3. 診療内容

症例数は神奈川県でもトップレベルであり、2009年の手術総数は1,450件である。主な手術数は、食道癌13例、胃癌131例、大腸癌241例、膵癌・胆管癌17例、乳癌145例、鼠径ヘルニア242例、肝切除30例である。何れも、神奈川県でトップ3から5の症例数である。 内視鏡下手術も積極的に取り入れており、2009年は胆嚢摘出術が158例、胃切除30例、結腸・直腸切除が30例、肝切除が5例である。 また、2005年4月から救急救命センターの開設に伴い、緊急手術例も増加しており、来院から手術、術後管理と一連の流れを主治医として担当できる。 上部・下部消化管の内視鏡検査はそれぞれ約1,000件あり、日本消化器内視鏡学会の専門医も3人おり、指導を受けられる。また、PTCD等の検査や治療も十分経験できる。

4. 研究業績

2009年度の学会発表は20編、論文12編であった。

5. プログラムとその特色

外科研修プログラムは、外科全般の知識、主義を身につけるとともに、研修終了後に日本外科が会の外科専門医取得を目的としたプログラムである。 外科専門医取得のためには、呼吸器外科手術、心臓血管外科手術の経験も必須であるが、研修2年目には呼吸器外科、心臓外科を3ヶ月ずつローテーションし、必須症例数をクリアーするプログラムを組んだ。また、希望により、救急科のローテーションも可能である。従って、研修終了後(卒後5年目終了時)には、外科専門医受験に必要な手術経験数に達するとともに、卒後7年目以降に受験資格のある、日本消化器外科学会の専門医受験に必要な手術経験数にも十分達しうる。 また、上記の業績に示したとおり、専門医取得に必要な学会発表や、論文執筆に関する指導を行なえるスタッフも充実している。5人は海外留学の経験者であり国際学会の発表も指導しうる。 特色として、米海軍病院の外科医師との交流があり、症例の紹介や懇親会など行なっている。

6. 若手医師に対する教育実績

3年間の研修では多くの手術の術者、ないしは助手の経験が可能である。最近の卒後3-5年目の若手医師1人当りの年間術者数は140例余、助手が40例余であった。

7. 最後に

外科は、肝切除、食道癌手術、膵頭十二指腸切除術など長時間の手術や、重症患者の管理、急患への対応など、ハードな時間を過ごさねばならないこともある。しかし、手術後の患者さんから感謝された時に抱く達成感や喜びは何物にも変えがたい。夢を持って外科医を目指す、意欲ある医師の応募を待っています。

外科後期研修プログラム

胸部外科ローテーションでは、希望により国家公務員共済組合連合会の他施設での研修も可能である。

整形外科

指導責任者 江畑 功(整形外科部長)

1. はじめに

現在の卒後臨床研修制度において、整形外科は必修プログラムの中に含まれていない。しかし、救急の現場などでは整形外科的診断・治療が必要となる場合が非常に多いことは、研修医諸君も充分に経験されたことと思われる。また、QOLを高めようという国民の意識の向上は、腰痛・関節痛などの整形外科的慢性疾患に対して積極的治療を求める患者数の増加につながっており、運動器疾患・外傷のスペシャリストが今後ますます求められていくものと考えられる。 整形外科は人体の非常に広い範囲を診る必要があり、数多くの経験を積まなければ「スペシャリスト」にはなり得ない。現在の「専門医」制度では、どの科においても学会加入後6年程度で取得可能となっているが、整形外科において、特に最初の2,3年における研修内容は、その後長年にわたり研鑽を続けていくための基礎として非常に重要なものと考える。当院は三浦半島地区における基幹病院としてその歴史も古く、地域の信頼も厚いため、整形外科も多くの慢性疾患患者や合併症を持つ患者が紹介されてくる。また救命救急センターの併設もあって、外傷の治療も非常に多い。このような環境は整形外科を志す若い医師にとって、非常に恵まれていると思われる。将来運動器疾患・外傷のスペシャリストとなれるよう、責任を持って指導にあたりたい。

2. 診療体制

常勤医師は現在7名。うち日整会専門医4名、日本脊椎脊髄病学会認定手術指導医2名、日体協スポーツドクター1名である。その他に現在シニアレジデントとして1名が研修中である(現在国内留学中)。外来は平日3ないし4名で行っており、予定手術は主に火曜・金曜に行うが、外傷等も順次加わってくるため、平日ほぼ毎日行っている。  手術件数年間約750件。内訳としては脊椎150件(頚椎30~40件、胸腰椎80~90件、比較的簡単な腰椎椎間板ヘルニアは10件程度であり、固定術が必要な例や透析性脊椎症などの難治例が多い)、人工関節45件(膝、股関節が多い)、関節鏡視下手術80件(半月板損傷、前十字靱帯損傷、手根管症候群など)、骨折手術250件(うち大腿骨頚部骨折100件、内科的合併症のため他院から転送されてくる例も多い)などが主体であるが、その他小児疾患や腫瘍など非常に多岐にわたっており、質・量・種類いずれも充実している。

3. 整形外科
1)プログラムの目的
基本的外来診療・治療法の習得、保存的治療のノウハウ、手術適応の決定、手術手技のマスター、後療法の指示など、あらゆる整形外科疾患・外傷に対してほぼ自立して治療にあたれるまでになることを目標とし、真の意味での「専門医」になるための土台を構築することを目的とする。
2)研修コース
基本的には3年間一貫して整形外科に所属することとなるが、希望があれば関連各科での研修(救急科、形成外科、麻酔科など)も各々3ヶ月程度可能である。週2回程度の外来(午前)を担当し、午後は各種検査(脊髄造影、神経根造影などが多い)か手術に入る。外来担当日以外は病棟(入院患者約40名)の回診か手術を朝から行うこととなる。入院患者の主治医(患者ごとに指導医のいずれかが副主治医となり、協力して診療にあたる)ともなる。火曜・金曜は朝7時半からカンファランスがあり、入院・外来患者の治療方針について全員で検討する。 3年間の研修終了までに日整会専門医に必要とされる基本的な手術手技は最低限マスターし、学会発表、論文掲載なども十分にクリアできることとする。手術としては、ほとんどの骨折の術者となれること、関節鏡視下手術の大部分を術者として経験すること、脊椎外科においては除圧術の術者となり基本的な固定手技も習得すること、関節外科においては膝・股関節の人工関節置換術の術者となること、などが目標となる。
4. おわりに

あらゆる運動器疾患に対して幅広い知識と経験を持ち、手術も含めた各種治療法を使い分けることが出来なければ、真の意味の「整形外科専門医」とは言えない。また、患者や家族の訴えを十分に聞き、真摯な態度で臨む人間性がなければ、患者が集まって来ることもない。われわれは「患者の集まる整形外科医」を目指そうとする若手医師を育て、将来の整形外科を託することに寄与したいと考えている。意欲ある諸君の来訪を期待している。

呼吸器外科

指導責任者 諸星隆夫(呼吸器外科部長)

1. はじめに

当院は1906年開院以来、横須賀・三浦・逗子・葉山を含む三浦半島の基幹病院の一つとして、内科系・外科系の一般地域医療・高次医療を担ってきた歴史があり、また近年では新設科/部署も増設し、診療科26 高次(3次)救命救急センターを有し、ますますその機能を拡充している。 当院の位置付けは、地域がん診療連携拠点病院、癌治療認定医機構認定研修施設、災害医療拠点病院、臨床研修指定病院であり、2007年には日本医療機能評価機構による病院機能評価(Ver.5)を取得している。 学会認定等は、呼吸器外科系のものに限れば、日本外科学会認定医修練施設、日本胸部外科学会認定医関連施設、日本呼吸器外科学会専門医制度関連施設である。

2. 呼吸器外科について

当科は平成6年、胸部外科としての新設が発端で、以後実績の充実とともに心臓血管外科と分割され、現在にいたる。来年度の病棟再編を機に、呼吸器内科とともに呼吸器センターを開設し、その外科部門を担う予定である。診療体制は、3名の呼吸器外科医師で、毎週4~6件の手術と、延べ2日(1+0.5+0.5)の外来と0.5日の気管支鏡検査、および週2回(1回:外科、1回:内科・病理との総合)カンファレンスにより維持されている。

年間の手術件数は、約200件で、県内でも有数であり、多くの呼吸器外科症例を経験できる。 平成20年の内訳は、肺癌(切除例):96、自然気胸:45、転移性肺腫瘍:13、縦隔・肺良性腫瘍:13、悪性胸膜中皮腫:切除;2、生検;8、胸部外傷(手術例):2、気管・気管支ステント挿入:2、膿胸:6、その他:16であった。

  土・日
午前 手術 外来
(諸星・再来)
手術 手術 手術 休診
午後 手術 外来
(諸星・初診/再来)
呼外科カンファ
外来
(正津)
気管支鏡
手術 外来
(諸星・再来)
合同カンファ
当科の手術の特色

年間手術のうち約80%を胸腔鏡下で行う。肺癌に対するVATS肺葉切除の比率は約90%である。 呼吸器内科でじん肺検診を行っていることもあり、石綿暴露者の肺癌・悪性胸膜中皮腫症例は数多く、悪性胸膜中皮腫症例数は県内でも数多く、最近では近隣地区からの発生患者のほか、県内他地域からの紹介も増加しており、外科的生検・手術を多く経験できる。(悪性胸膜中皮腫の胸膜肺全摘手術件数は年間2~4例である)

3. 呼吸器外科スタッフ
  • 部長:諸星隆夫、昭和57年横浜市立大卒、呼吸器外科専門医、外科学会指導医
  • 医員:正津晶子、平成10年横浜市立大卒、呼吸器外科専門医、外科専門医
  • 医員:藤井慶太、平成14年横浜市立大卒、外科専門医

以上、医員2名は、現在のところ横浜市立大学外科からのローテーションである。

4. 呼吸器外科 後期専門研修プログラム

後期研修プログラムの1例:麻酔科、外科、病理科、呼吸器内科、救急科など初期臨床研修において研修不足の場合、希望によりオプション可能
(原則として病理は3~6ヶ月必修)

  4~6月 7~9月 10~12月 1~3月
第1年次 呼吸器外科 呼吸器外科
(/麻酔科)
手術 呼吸器外科
(/外科)
第2年次 呼吸器外科 呼吸器外科 呼吸器外科
(/心臓血管外科)
呼吸器外科
/病理科
第3年次 呼吸器外科 呼吸器外科
(/救急科)
呼吸器外科 呼吸器外科

当科での呼吸器外科後期専門研修では、数多くの手術を、第一助手、術者で経験することができ、また、胸腔ドレーン挿入、気管支鏡検査、外来診療、術後の補助化学療法(入院/外来)および終末期治療も呼吸器内科との協力のもと経験可能である。
手術では、基本手術手技の習得に始まり、肺癌に対する肺葉切除+縦隔リンパ節郭清などの定型手術を執刀できるまでを目標とする。
最終目標は、数多くの呼吸器疾患を診療し、外科の役割を理解して、診断・治療方針を決定することができる呼吸器外科医の育成である。
また、充分な症例経験・学会発表/論文提出経験が可能である。

5. 専門医資格取得について(外科・呼吸器外科)
外科専門医
外科学会の認定施設であり、初期臨床研修を受けた施設での経験症例数と合わせて基準を満たしていれば、当科研修終了後(卒後5年終了後)に申請可能。
呼吸器外科専門医
呼吸器外科学会の施設認定関連施設であり、当科での修練経験で概ね申請基準を満たす。卒後7年間の研修終了後(かつ外科専門医取得後)に、申請/受験資格取得可能となる。

耳鼻咽喉科

指導責任者 鈴木一雅(耳鼻咽喉科部長)

1. 当科の特徴

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患は視覚以外の感覚器(聴覚・平衡感覚・味覚・嗅覚)、音声言語、呼吸、嚥下などの QOLに影響を及ぼすため、治療も単に病変部を治すだけでなく、それらの機能を改善、保存または再建しなければなりません。 当科は一般総合病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科としては症例数、手術件数、患者総数ともに関東有数の規模です。大学病院やがんセンターなどの特殊な病院と異なり、症例に偏りがないのが特徴で、臨床面では頭頸部腫瘍、甲状腺外科、鼻副鼻腔手術および中耳手術に力をいれています。症例数も豊富なため、シニアレジデントの教育研修に最適な環境であると思います。 シニアレジデントとして当院で3年研修すれば、扁桃摘出術、鼻中隔矯正術、鼻副鼻腔内視鏡手術はもちろんですが、喉頭微細手術、顎下腺摘出術、耳下腺腫瘍手術、甲状腺手術、頸部郭清術、簡単な中耳手術などを執刀医として習得可能です。他科のレベル、医療設備のレベルも高度の水準にあり、関連した科をローテイトすることも可能です。 研修期間中は地域の中核病院のスタッフの一員として自覚を持って高い水準の医療を担ってもらうことになります。後期研修終了時には同年代の耳鼻咽喉科・頭頸部外科医の中でも有数の経験や知識・技術を習得することが可能ですが、同時に患者本位で全人的な医療が行える、人間的にも優れた医師となることを最大の目標としています。 コメディカルを含めた医療スタッフはチームワークもよく、働く環境としても優れています。関心のある方はいつでも見学可能ですので、ぜひご連絡ください。

2. 臨床実績
  • 1日平均外来患者数 : 約80名 主な手術
  • 1日平均入院患者数 : 約25名
  • 扁桃摘出術50件、内視鏡下副鼻腔手術100件、鼓室(鼓膜)形成術40件、甲状腺手術40件および頭頸部(舌、喉頭、咽頭部など)悪性腫瘍手術50件、音声改善手術20件など
  • 年間手術件数 : 450件
3. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科後期研修について
行動目標
  1. 外来診療に従事し、患者さんに接する態度、問診、所見のとり方、治療方針の立て方、治療の実際について習熟する。
  2. 耳・鼻・咽喉頭鏡および内視鏡検査に習熟する。
  3. 聴力検査、平衡機能検査、音声機能検査、頭頸部の画像診断などの実施、検査結果の解釈に習熟する。
  4. 甲状腺エコー検査、エコーガイド下吸引穿刺細胞診・組織診に習熟する。
  5. 主治医として入院患者の治療にあたり、上級医とともに病態の把握、治療方針の決定、ICやリスク管理、また特に頭頸部外科領域での周術期管理、重症者の全身管理の実際を学び、患者さんやコメディカルとの良好な信頼関係が築けるようにする。
  6. 手術室において手術の流れを理解し助手として介助を行う。また段階的に執刀者となって手術手技に熟達する。
  7. 常に研究心を持ち、書物、インターネット、学会参加などによる最新情報の集につとめ、文献(英語も含む)読解能力、ディスカッション、プレゼンテーションの能力を磨く。
研修内容
  1. 週2、3回の外来診療を行う。当院が求められている高水準の診療が行えるようにする。また初診外来、各専門外来に加わり、いろいろな症例での診断治療の進め方や患者さんとの信頼関係の築き方などに習熟する。
  2. 週1回の甲状腺エコー検査を行い、エコーガイド下吸引穿刺細胞診の手技や診断に習熟する。
  3. 常に平均5名程度の患者の主治医として責任のある入院治療を行う。患者さんの重症度やレジデントの習熟度に応じて、主治医として治療に当たる。
  4. 到達度に応じていろいろな手術の助手や執刀医を勤める。耳鼻咽喉科・頭頸部外科としては年度別の到達目標は設定せず、各個人の習熟度に合わせて指導医が目標を設定する。いずれにせよ3年度終了時には耳鼻咽喉科専門医として求められる一通りの手術が行えることを目標とする。また2年度からは教育スタッフの一員として後輩の指導に当たる。
  5. 拘束や当直業務を行い、救急医療に習熟する。
  6. 学会に積極的に参加する。
4. カンファレンス、研究会など
  1. 病棟カンファレンス(医師のみ 週1回、 スタッフ全員参加 月2回)
  2. 病理カンファレンス(月1回)
  3. 横須賀市病病連携会(年2回)
  4. 三浦連合医会、学術講演会(年1回)
5. シニアレジデント終了後の進路

シニアレジデント終了後は、当科のスタッフに空きがあればそのままスタッフとして採用しますが、当科の関連大学である横浜市立大学や千葉大学、レジデントの出身大学の大学院進学、あるいは関連病院への転職にも積極的に応じています。各人の希望に沿って対応します。

6. 耳鼻咽喉科専門医取得資格について

日本耳鼻咽喉科学会認可の耳鼻咽喉科専門医研修施設ですので、日本耳鼻咽喉科学会に入会すれば、専門領域研修の期間として認められます。

7. 専門性に関する資格の取得条件(日本耳鼻咽喉科学会)
  1. 日本国の医師免許を有する者。
  2. 連続して3年以上、日本耳鼻咽喉科学会の正会員である者。
  3. 日本耳鼻咽喉科学会が基準に基づいて認可した耳鼻咽喉科専門医研修施設において、研修カリキュラムに従い臨床研修終了後4年以上の専門領域研修(そのうち3年以上は耳鼻咽喉科専門医研修施設における研修でなければならない)を修了した者。

上記を満たした者は専門医試験(年1回、通常夏期)を受験できます。
*したがって、受験資格は卒後7年目以降となる。

眼科

指導責任者 竹内 聡(眼科部長)

1. レジデントの皆さまに

眼科は、未熟児網膜症の新生児から斜視弱視の幼児、また加齢黄斑変性症や白内障のお年寄りまで、幅広い患者さんを対象としています。診断から治療まで一貫して出来る数少ない診療科のひとつで、糖尿病や循環器疾患、血液や皮膚疾患などとも深く関わっているので、患者さんの生涯と向き合うことができる科でもあります。自ら病気を検査・診断し、内科的・外科的アプローチの両面から治療することで、患者さんの視覚の質(quality of vision: QOV)向上に貢献できる喜びは、何事にも代えがたい経験となるでしょう。眼球という小さな臓器の中には、想像以上に複雑で多彩な構造があり、多くの疾患があります。当院は三浦半島の基幹病院であり、地域からの信頼も厚く、他科の医療レベルも高水準にあるため、大学病院クラスの症例が豊富に集まっています。眼科初期研修において多くの疾患を診ることは重要であり、眼科の基本を学ぶにはよい環境が整っているといえます。当院は日本眼科学会の認定した専門医制度研修施設であり、プログラム指導責任者は眼科指導医に認定されています。

2. 当眼科の診療内容

三浦半島(背景人口60万人)の急性期眼科医療の中核を担っている。裂孔原性網膜剥離、急性緑内障発作、白内障術後核落下や眼内炎など、緊急を要する紹介手術症例はもとより、ぶどう膜炎、角膜感染症、視神経炎や動脈閉塞、緑内障など内科的治療の症例も多い。白内障手術は一般的な症例から難易度の高い症例まで全て対応し、硝子体手術全般(黄斑円孔・黄斑上膜・増殖糖尿病網膜症・硝子体出血)、加齢黄斑変性症に対する内科的治療・外科的治療(光線力学療法・抗VEGF硝子体注射)を主軸に、大学病院に匹敵する診療内容を誇っている。 年間の外来患者数は24,000件、蛍光眼底造影検査650件、レーザー治療700件、光線力学療法60件、抗VEGF硝子体注射350件である。平成22年度の年間手術総件数は885件で、内訳は白内障手術710件、網膜硝子体手術135件、緑内障手術3件、眼瞼結膜手術33件、その他4件であった。  診察ブースは予診室を含め5診ある。現在眼科の常勤医師は5名、非常勤医師は1名での体制で、大学病院より小規模ではあるが、市中病院の眼科としては大きく、週2回のカンファランスと個別指導を行いながら、密な連携をとって診療にあたっている。当科では患者への確実な治療と、後輩医師の育成を目指したいという使命の元に、日々の診療を心がけている。

3. 当科の医療設備

前眼部ウェーブフロントアナライザー・前眼部3次元画像解析装置・眼底3次元画像解析装置・光線力学療法レーザー・マルチカラーレーザー・ヤグレーザー・動的視野計・静的視野計・大型弱視鏡・ヘススクリーンテスト・レーザー視力計・超音波診断装置・蛍光眼底造影検査装置・超音波白内障手術装置・硝子体手術装置・スリット照明手術システム・眼底広角観察手術システムなど。

4. 眼科シニアレジデントプログラム

当院では3年間のプログラムを基本とする。この間に専門医試験受験資格に必要な、手術執刀者・助手を合わせて100例以上、うち外眼部手術・内眼部手術・レーザー手術がそれぞれ20例以上執刀、また眼科論文1編以上、眼科学会発表2報以上の基準を十分にクリアーする。日本眼科学会専門医制度では、眼科臨床研修期間を4年間と定め、当初2年間のうち1年間を大学病院という基幹研修施設での研修を義務付けているため、横浜市立大学やレジデントの出身校など本人の希望を考慮したうえで協力し、2年次は当院からの出向という形で、大学病院研修を行っていただく。3年次は再び当院で研修を行い、専門医取得に向けた幅広い知識と経験を積んでいただく。

【1年次】
一般外来診療における問診から各種眼科検査までの流れを習得し、診断に至るまでのプロセスを学ぶ。診断に必要な眼科専門検査を適切にオーダーできるようにすると同時に、視能訓練士の行う検査を自ら行うことが出来るようにすることで、検査の意味と評価法を理解させる。必要に応じて全身検査を進め、他科との連携により診断に至ることもあることを習得する。手術においては、まず患者に手術説明が十分にできるよう前半に指導する。それには眼球の解剖から麻酔法まで理解する必要がある。現場においては助手を何度も経験させ、手術の流れ、器機の名称と使用法、顕微鏡操作などを修得する。同時にウェットラボでのトレーニング指導を行う。後半は外眼部手術や内眼部手術の一部を部分的に執刀させ、段階的に経験を積ませる。カンファランスにおいては、写真・造影検査所見などの画像所見から、読影法を修得する。
【2年次】
前年度経験を積まなかった専門分野を中心に、大学病院の専門外来を幅広くまわり、専門医制度委員会が決める7つの初期目標領域(角結膜・白内障・緑内障・網膜硝子体ぶどう膜炎・屈折矯正斜視弱視・神経眼科・他科連携)全てをこの2年次までに補完する。プログラム責任者は、大学主任教授と連絡をとりながら、個別到達状況を適宜確認するとともに、学会発表および論文作成の指導を行う。
【3年次】
当院外来診療を週3回程度行い、診断から治療まで一貫して方針を立てられるようにする。病棟患者の主治医として、周術期管理ができるようになる。後輩医師の指導を担当しながら、知識レベルの向上に努める。技術的には、外来処置が自分で出来るようになること、網膜硝子体手術の助手が務められること、白内障手術の執刀が通して出来るようになること、を目標とする。
【シニアレジデント修了後】
日本眼科学会では、初期臨床研修2年を終えた後、最短4年の眼科臨床研修を行うことを義務付けており、専門医受験は医師国家試験合格後、最短で7年目に資格を得ることになっている。したがって、もう1年の研修を必須とする。この3年間のプログラム修了後は、本人の希望と相談し、当院にスタッフとして残留し研鑽を積むか、大学医局のローテートに配属するか、どちらかとなる。特に網膜硝子体を含めた手術治療に興味を持つ先生は、当院で継続して研修を行うことをお勧めする。
おわりに

眼科臨床研修できちんとしたトレーニングを積むことは、今後の眼科医人生にとってきわめて重要です。ここでいかに豊富な症例を経験し、手技を基礎から学ぶか、それがスペシャリストとなれるかに大きく影響します。当院の研修は時として、重症緊急患者への対応などハードなこともあります。しかし、その分得るものが大きいといえます。高齢化社会になり眼科の患者さんは増加するばかりです。その一方、眼科治療手技は目覚ましく進歩し、多くのスペシャリストがまだまだ必要とされています。眼科には豊富な専門分野があり、専門医取得後は自分の興味や適正に合わせて、分野を選択できます。多くの患者さんが皆さんの治療を待っています。意欲にあふれる将来の眼科医に来ていただきたいと思います。

(3) その他研修プログラム

各診療科ごとにプログラムが設定される

外科専門科各科の研修内容

救急科

指導責任者 鈴木淳一(救急科部長)

1. 目的

当救急科は三浦半島に初めての救命救急センターを開設し、この地区の救急医療を担うことを目的として、2005年4月新設されました。

救命救急センター
20床以上の専用病床と救急医療を行なえる医療資源(ハード・ソフト・人材)を持ち,常に空床を確保し、24時間体制で重症・重篤な救急患者を受け入れる高度な診療機能を有する医療センターです。
2. 業務内容
  1. 初期治療emergency medicineと集中治療critical care medicine
  2. 三浦半島地区の救急医療体制の確立
  3. 集団災害時や特殊な状況下で院外救急活動
  4. 医師、研修医、看護師、救命士、学生に対しての教育
  5. 自動体外式除細動器AEDの講習などの啓蒙活動です。
3. 診療体制と診療内容

日本救急医学会救急科専門医3名を含む5名と応援医師および研修医で、外傷・中毒・熱傷・環境障害(熱中症・低体温など)・特殊感染症・異物・被虐待などの救急専門疾患と、心肺停止・ショック・多臓器不全などの各科疾患の超急性期の初期治療と、ICUでの集中治療を24時間体制で行っています.

4. 研修プログラム
病院内

重症疾患を経験し, その後いずれの科に進もうとも救急疾患に対応可能な能力を身に付けることができます。
また救急車で搬送される一次二次救急疾患の初期治療も同時に行なうことができます。
さらに救急医療の基になっているBasic Life Support(BLS)、Advanced Cardiovascular Life Support(ACLS)、Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(JPTEC)、Japan Advanced Trauma Evaluation and Care(JATEC)を習得し、希望によりそれらのインストラクターに進むこともできます。

病院外

救急医療においては病院前医療を制御することが非常に重要であり、そのため行政、特に消防と緊密な連携を取ってメディカルコントロールを主導し、地域の救急医療体制を確立するというのが、院内での診療と並んでもうひとつの大きな業務であり、他科では経験できないものです。
この中には救急車同乗実習や消防指令室の見学、三浦半島地区外傷セミナーの開催、BLS・ACLSプロバイダーコースの開催も含まれています。

以上の病院内外の2つの医療を習得・体験することが救急科研修プログラムの大きな目的です。
研修プログラムとしてはストレート研修の他,外科や循環器などの短期間ローテートを希望により行えます。
当科は日本救急医学会専門医指定施設ですので、3年間の研修は日本救急医学会救急科専門医習得に必要な臨床修練(日本救急医学会に入会していることが前提)とすることができ、また学会発表や論文執筆の指導も行ないます。

小児科

指導責任者 番場正博(副院長、小児科部長)

横須賀、三浦半島地区の基幹病院として、一般小児科患者および新生児に対する救急を含む地域医療を担うとともに、各専門分野の常勤医と関連病院(慶應義塾大学、都立小児総合医療センター)の非常勤専門医により、高度専門医療にも備える体制を整えている。
平成6年から、一般小児科病棟25床、新生児病床12床(内NICU9床)を有し、日本小児科学会専門医(番場・木津)、他常勤小児科医が4名、非常勤小児科医、計10名、臨床心理士1名で勤務体制をとる。
日本小児科学会の専門医認定施設で、専門医の認定期間として3年間が算定できる。
2009年の入院患者は、総数972名、NICU 174名(呼吸管理を必要としたものは92名)、外来患者数は、約80名/日、特殊専門外来として、アレルギー喘息外来、血液免疫外来、内分泌代謝外来、心臓外来、神経外来、腎臓外来、新生児外来、予防接種外来、心理相談外来がある。
入院患者は、下気道感染症と気管支喘息を含む呼吸器疾患が多く、髄膜炎他の感染症、痙攣性疾患、川崎病ほかの膠原病類似疾患、血液疾患、白血病を含む悪性疾患、腎炎、ネフローゼ症候群等腎疾患、糖尿病、先天性代謝異常等、あらゆる分野にわたる疾患にわたる。
また、予防接種は小児保健の中心的役割と考え、積極的な予防接種の普及に努めている。
シニアレジデントのコースとしては、3年間の予定で、救急診療を含む一般小児科外来診療、健康診断、予防接種、極小未熟児をふくむ新生児医療、精神神経的疾患等、幅広く臨床小児科学を体得することが可能である。
新生児から年長児まで、診断治療手技として、腰椎穿刺、動脈穿刺、動脈および静脈カテーテル挿入、中心静脈カテーテル挿入、骨髄穿刺、膀胱穿刺、膀胱カテーテル挿入、胸腔穿刺およびカテーテル挿入、腎尿路造影検査、消化管造影検査等を、指導医のもとで取得する。

【1年次】
週2回の外来診療、入院患者5-10名の受け持ち医となり一般小児科臨床業務を行う。当直は4-5回/月、指導医とともに従事する。 3ヶ月間の新生児専門のローテーション、また希望により麻酔科、放射線診断部のローテーションを組む。
【2年次】
週2回の外来診療、他1回のフォローアップ外来の補佐。入院患者、当直業務は1年次と同様であるが、基本的には独立した1医師として勤務体制を組む。希望により救急科のローテーションを組む。
【3年次】
週2回の外来診療、他1回の特殊外来の補佐。入院患者、当直業務は1年次と同様におこなう。希望により専門外来の補佐を行う。 全コースを通じて、小児科関連の県レベルの学会、研究会および全国レベルの学会には積極的に参加し、症例の報告、臨床研究の発表をおこなう。
小児科シニアプログラム
【1年次】
新生児のローテーション、また希望により麻酔科、放射線診断部のローテーション
小児科一般 新生児 麻酔科 診断部
【2年次】
小児科一般 救急科 救急科ICU 小児科一般
【3年次】
小児科一般 小児科一般 小児科一般 小児科一般

放射線科

指導責任者 吉儀 淳(放射線科部長)

当院放射線科は画像診断専門医4名、放射線治療専門医1名、専門医修練医1名の6名で業務を行っております。当院における放射線科後期研修の特徴と致しましては①大学病院以外では多くはない日本放射線学会専門医総合修練機関に認定されている。②内科外科をはじめ各臨床科が充実しており多種多様の症例を数多く経験できる。③充実した放射線機器、電子カルテおよびPACSが整備されている。 ことが主に挙げられます。①および②により臨床に即した環境で画像診断と放射線治療をあわせた放射線科専門医修練が可能です。②および③により日々の診療のフィードバックが得やすい環境にあります。画像診断では64列MDCTや最新型MRIなどの入力側が充実しているのはもちろん、電子カルテやPACSなどの出力側も充実しておりMDCTの全例2mm slice再構成や各読影端末へのワークステーション装備など詳細な画像診断が可能な環境となっています。放射線治療は平成22年に5mm幅のマルチリーフコリメータを装備し高精度放射線治療に対応した最新型リニアックが導入されており、常勤の放射線治療専門医のもと活発に診療が行われています。 一般的な修練に加え、肝臓癌や救急症例等に対するIVRや乳腺画像診断(マンモグラフィ、 US、マンモトーム等)にも力を入れており、IVR学会専門医や検診マンモグラフィ読影認定医の取得を視野に入れたこれらの修練も並行して行います。 地理的に東京・神奈川で多数開催されている学会や研究会に参加しやすい環境です。

リハビリテーション科

指導責任者 野々垣 学(リハビリテーション科部長)

1. はじめに

当院は,三浦半島の地域中核病院として、三次救急を含めた急性期医療が中心の総合病院である.リハビリテーション科は、急性期より回復期、地域生活での維持期まで、また新生児から高齢者まで全てのリハビリテーションに対応している。脳血管疾患等・運動器・心大血管・呼吸器の4分野全てのリハビリテーション施設基準(I)を満たしており、必要とされるリハビリテーションニーズにこたえている。入院・外来のリハビリテーションだけではなく、訪問リハビリテーションとして、本院ないし分院の併設の訪問看護ステーションから、理学療法士の訪問を行っており、横須賀三浦地区の地域リハビリテーションに貢献すべくネットワークを広げている。

2. 診療体制

常勤医師は現在1名。回復期リハビリテーション病棟の39床を担当している.入院中の各科からの併診に対しての診察,Videofluorographyでの嚥下評価,補装具外来での装具・義足作製も行っている. リハビリテーション科外来患者数は135人/日であり、整形外科・内科・脳神経外科などから依頼を受け、多様な疾患を有する患者さんに対して治療にあたっている。 入院でのリハビリテーションについて、リハビリテーション科の病床は、回復期リハビリテーション病棟の施設基準を取得している。回復期リハビリテーション病棟は当院の急性期病棟からの転入(93%)に加え、地域の病院からリハビリテーションが必要な患者さん(7%)を受け入れている。土曜・祝日のリハビリテーションや療法士の充実により、リハビリテーションの時間を増やして在宅生活に戻れるように対応し、平均在棟日数40.7日、自宅復帰率72%、入棟→退院時FIM68.3→85となっている。補装具外来では、義肢・装具・車椅子などの作製をおこなっている(年578件)。嚥下障害に対する評価は、嚥下造影を年間124件行なっており、誤嚥予防の為の指導を併せて行なっている。

3. リハビリテーション科研修プログラム

日本リハビリテーション医学会の専門医制度卒後研修プログラムに準拠しているため,基本的には3年間一貫してリハビリテーション科に所属することとなるが、希望があれば関連各科での研修も可能である。
研修においては、週2?3回のリハビリテーション外来診察と、病棟の回診ならびに治療、リハビリテーション監督業務を行うこととなる。入院患者の主治医ともなり、治療経験を積む。  
3年間の研修終了までに日本リハビリテーション医学会の専門医制度卒後研修プログラムに必要とされる、基本的な診察・リハビリテーション治療計画・障害者のプライマリケア・臨床検査・処置は習得し、更には、学会発表・論文作成などができることが目標となる。

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