日帰り手術とは
手術を受けた当日、または2〜3日という短期間で帰宅できる、患者さんの希望に沿う、新しい治療のシステムです。
日帰り手術、導入の目的
社会的、家族的、あるいは個人的な要因で、短期間の入院での治療をお望みの患者さんを対象として、あらかじめ外来でスケジュールを作成し、病棟・麻酔科・手術室と連携して期日どおりの入院・治療を提供することを目的とします。
日帰り手術を受ける患者さんの条件とは
1. 横須賀共済病院の日帰り手術の対象の疾患であること。
2. ご本人が、日帰り手術を希望されていること。
3. 現在まで日常生活をほぼ普通におくられていること。
4. 重篤な合併症(心筋梗塞、喘息、進行した糖尿病、腎不全など)がないこと。
※抗凝固薬:血が固まりにくくする薬や糖尿病薬などの服用があっても、対象となる場合があります。
5. 退院してからの術後の管理をご自分でできること。
6. 横須賀共済病院に通院可能な距離にお住まいのこと。
7. 入院当日の付き添いや、退院後の療養にご協力いただけるかたがいらっしゃること。
日帰り手術の注意点
1. 手術の方法そのものは、ご本人の希望により、術後にもう少し長く入院されている患者さんと差はありません。従いまして、日帰り手術ですぐお帰りになられる場合でも、患者さんの術後の痛みや合併症のリスクは、同じ様にあります。
例えば、日本では産後1週間くらい入院しますが、アメリカでは翌日に退院です。
お産の痛みや新生児の黄疸などのリスクは日米で同じです。進歩した技術や医療機器にもよりますが、基本的には手術の侵襲は大きくは変わらないことをご理解いただければと思います。
日帰り手術でも退院された後、すぐに元通りの生活に戻るのではなく、数日の余裕を持っていただいたほうがよいでしょう。
2. 退院後、何か異常を感じられたらすぐに、病院に連絡して下さい。必ず外科当直医がおりますので対処いたします。
3. 特に、腹腔鏡下胆嚢摘出術など、胆嚢の癒着の具合や、周囲の内臓との位置関係などにより、より大きな手術となる可能性があります。このような場合や、術後の痛みなどにより患者さんが希望される場合は、入院期間が延長となります。
対象となる疾患
外科 | 大腸ポリープ(良性ポリープ、粘膜までの浸潤の大腸がんなど) 成人鼠径ヘルニア 痔核・ 皮下巨大脂肪腫・乳腺腫瘤摘出手術(weekend surgery) 腹腔鏡下胆嚢摘出術 |
形成外科 | わきが、しみ、いぼ、皮膚・皮下腫瘍、陥入爪、眼瞼下垂、腋臭症、小児の全身麻酔手術 |
今後、取り入れる予定の疾患
外科 | 外科 小児鼠径ヘルニア・ 乳がん(weekend surgery) ※(weekend surgery)とは、木曜、または金曜日に入院・手術し、週末に退院できる治療システムです。 |
日帰り手術の手順と流れ
初回の外来
1. 初診日
- 月曜から金曜の午前中
- 受付時間は8時30分から11時まで
2. 日帰り手術の同意
- 日帰り手術の対象の疾患であること
- 手術をすべきと医師が判断すること
- ご本人が同意されること。(同意の上で、手術日を決定します)
3. 初診日に行うこと
- 全身の検査(入院後には、全身の状態を把握する時間が極めて限られますので、できるだけ外来で済ませるようにします)。
- 血液生化学検査(採血)
- 血液型、感染症(B型、C型肝炎ウィルスなど)、肝機能、腎機能、赤血球・白血球数など。
- 胸部レントゲン検査
- 尿検査
- 心電図
- 他に必要と判断された検査
- 内服薬の確認
- 毎日、服用されているお薬があるようでしたら、その名前を教えてください(手術の日の朝は、お薬が飲めません)。 特に、血を固まりにくくする、抗凝固剤を内服中の心臓疾患や脳梗塞などの方は1週間くらい前に服用を中止します(手術中に出血が止まりにくくなるのを防ぐため)。
4. お渡しする書類
- 手術の説明書
- 入院中の患者さんのスケジュール表(クリニカルパス・クリティカルパス)
5. 手術説明をしますので、2回目外来には可能な限り、ご家族とともに来院下さい。
2回目外来
1. 再診日
- 水曜・木曜のうちの希望日
- 受付時間は8時30分から9時まで
2. お渡しする書類
- 手術同意書(署名の上、入院時にお持ちください)
3. 前回の検査の結果をみて、日帰り手術が可能かどうか判定します。
- 手術可能かどうか外科で判断いたします。 麻酔をかけるのに支障はないか、麻酔科に併診します。
- 外来棟4階の麻酔科外来に行っていただきます。
入院
1. 入院日の朝10時に入院受付にお越しください。
2. 用意されるもの
入院のご案内をご参照ください。
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