DPC制度

DPCとは、急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度であり、その本質は医療情報のデータによる標準化と、情報公開による透明化にあります。
当院は平成18年よりDPC対象病院として、地域の急性期医療を担ってきました。その中でも、大学病院と同等の診療実績を有する高機能病院として、DPC特定病院群の指定を受けており、現在もその機能を維持しています。


病院指標と公開の目的

病院指標とは、全国共通のルールで集計した指標であり、病院を客観的に数字で示したものです。横須賀共済病院を利用する皆様に、病院の特徴や医療提供体制について理解を深めていただくことを目的として公開しています。


現在公開されている指標の共通の定義について

  • 平成29年4月1日~平成30年3月31日までのデータを使用しています。
  • 保険適用のデータのみ使用し、事故や労働によるけが等の保険外データは入っていません。
  • ICD-10とは世界保健機関(WHO)が作成した疾病分類のことです。
  • DPCコードとは、入院中に治療した病名と診療行為を、全国統一のルールでコード化したものです。

DPCデータによる病院指標

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
入院日時点での年齢を基準として、10歳毎に分けた年齢階級別に退院件数を集計しています。

【定義】
・患者数の数え方は、1入院毎です。一人の患者さんが2回入院した場合は、2件で集計しています。
・年齢階級は10歳毎に集計し、90歳以上は一つの階級として集計しています。
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 553 283 370 610 1173 1866 3964 6298 3947 711
【解説】
地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、DPC特定病院群(大学病院本院に準じた診療密度と一定の機能を有する病院)である当院は、救命救急センターを持ち、地域医療の中核として、質の高い医療を新生児から高齢者までの幅の広い年齢層の患者さんに提供しています。
新生児のICU(集中治療室)があり、0歳代の患者さんが多く入院しています。若年層では、周産期を含めた産婦人科の患者さんが多く入院しています。
40歳代以降では、心疾患(狭心症、虚血性心疾患と不整脈)、悪性腫瘍、良性腫瘍の患者さんが多くなり、80歳代以降では上記疾患に加えて白内障、高齢者の救急疾患としての肺炎、大腿骨骨折の患者さんが多くなります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
【定義】
・各診療科を退院した症例を、DPCコード毎に集計しております。
・DPC名称とは、DPCコードを分かり易く名称化したものです。
・症例数が10件未満のものは「-(ハイフン)」表記となっています。
・平均在院日数(自院)とは、DPCコード毎の入院日から退院日までの平均日数です。
・平均在院日数(全国)の数字は平成29年度のDPC対象病院の全国平均在院日数を掲載しています。
・転院率とは、DPCコード毎の症例数のうち、他病院へ転院することとなった患者さんの割合を示しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 1あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 908 3.03 3.03 0.00 70.63 PDF
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1 なし、1,2あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 783 4.27 4.62 0.13 71.80
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術処置等2 なし 767 4.12 5.30 0.00 63.40
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 155 2.74 7.71 0.00 66.35
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 144 4.53 5.68 0.00 73.86 PDF
【解説】
・ 横須賀共済病院 循環器内科では、カテーテル心筋焼灼術・植え込み型除細動器(ICD)・ペースメーカー・両心室ペースメーカー・心カテーテル治療(PCI)・PTCA・ステント・DCA・ロータブレーター・バイパス等さまざまな症例に対応しており、症例数も多くなっています。
・ 我々スタッフは、患者様の症状を改善するために24時間体制で診療しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 119 10.86 10.61 1.68 73.80 PDF
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 82 10.37 10.71 2.44 73.46
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 75 9.48 7.87 0.00 70.72
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術処置等2 なし 72 11.58 11.44 2.78 75.28 PDF
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術処置等2 なし 61 9.20 8.73 0.00 74.80 PDF
【解説】
・ 消化器内科で最も多い症例は短期滞在症例を除けば総胆管結石などによる胆管炎です。胆管炎の原因となる総胆管結石などを内視鏡(内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP))を用いて治療します。
・ その次に多いのは胃や十二指腸潰瘍です。出血を認めた際に内視鏡的止血処置を行います。
・ 3番目に多いのは大腸憩室の出血や炎症です。点滴や抗生剤などで保存的に加療を行います
・ 4番目に多いのは肝癌(肝細胞癌・胆管細胞癌)になります。病態に応じてラジオ波焼灼療法、血管造影による治療(肝動脈塞栓術)、化学療法などを施行しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 278 3.42 3.59 0.72 71.44 PDF
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 155 9.45 11.99 1.29 70.26
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術処置等2 なし 98 22.27 19.65 8.16 74.27 PDF
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 77 21.17 20.83 50.65 84.14
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 62 14.76 14.60 25.81 75.48
【解説】
・ 呼吸器内科では呼吸器の癌に対する検査を目的とした入院が最も多くなっています。具体的には気管支鏡検査、CT下生検、局所麻酔下胸腔鏡検査などが挙げられます。
・ 呼吸器の癌では、肺癌が最も多く、次いで胸膜中皮腫などが挙げられます。これらの癌に対して、抗がん剤などによる治療目的の入院が2番目に多くなっています。抗がん剤は、従来の殺細胞性薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤があります。抗がん剤投与の他、放射線科と協力して放射線治療も行っています。
・ 3番目に多いのが、間質性肺炎の治療による入院となっています。病態が悪化して緊急入院となる場合と、抗線維化薬投与を目的とした予定入院があります。
・ 4番目は誤嚥性肺炎による入院となっています。当院では各内科に協力していただいているため、当科で担当しているのは比較的少数になります。抗菌剤による治療の他、全身管理、リハビリを必要とすることが多く、病状がある程度安定したら連携病院へ転院し、治療を引き継いで頂いています。連携病院への転院、また退院して帰宅もしくは施設入所する場合も、当院のケースワーカーがご家族とご相談させて頂いています。
・ 5番目は呼吸器の癌に対する終末期医療での入院になります。基本的には入院が必要となる前に、自宅での看取り、もしくはホスピスへの入所、どちらを希望されるかをご本人、ご家族に確認しています。しかし希望が確認できる前に緊急入院される場合があり、その際は入院後に対応させていただく形になります。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 14.61 20.83 25.00 72.93
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 16.26 16.38 43.48 73.13
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 6.05 6.32 4.76 61.14
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 18.06 19.10 47.06 70.18
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 3、4又は5 15 20.47 20.20 40.00 78.00
【解説】
・ 神経内科は脳(および脊髄,末梢神経,筋肉)の病気を診る内科です。精神科,心療内科,神経科など似た名前の診療科が「こころの病気」を診るのとは
  領域が異なります。脳を含めた神経系は、全身に分布し身体のコントロールを行っているため、神経内科で診る疾患は多岐にわたります。
・ 最も頻度の高い疾患は脳卒中の一病型である脳梗塞や脳出血です。脳梗塞は発症して間もない(超)急性期の診療が最も大切で、
  脳神経外科や救急科と協力して24時間体制で、tPA静注治療を含めた(超)急性期治療に取り組んでいます。
・ その他、てんかん・けいれんの救急治療,認知症や神経難病の診断に力を入れています。
・ 神経難病の患者さんは、合併症として嚥下・呼吸障害を来しやすく、その結果起こりやすい肺炎の治療も一般内科医として行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 73 5.70 8.50 0.00 71.12 PDF
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 65 10.52 12.23 0.00 74.46 PDF
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 61 9.44 14.55 0.00 70.43 PDF
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 あり 定義副傷病 なし 26 8.08 7.35 0.00 55.27 PDF
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 16.68 20.83 48.00 84.20
【解説】
・ 腎臓のはたらきが正常の10%から15%以下になると、透析などの腎代替療法(腎臓のはたらきを代行する治療)が必要となります。血液透析を開始する前段階として、内シャントを作成しておく必要があり、その血管手術 のために入院する症例が腎臓内科では最も多くみられます。
・ 実際に血液透析を開始する段階となった場合には、再度入院をしていただきます。透析が開始となりましたら、内服薬の調整や食事療法の内容変更、透析条件などの調整などをおこないます。そして退院へむけて通院先(透析クリニック)のご提案や通院方法を調整したのちに退院となります。
・ 腎臓のはたらきが低下した慢性腎不全では、多くの合併症(感染症が多くみられます)を有することがあり、それらの診断・治療のための入院は他の診療科とも連携して行っています。
・ 検尿異常の精密検査としてエコーガイド下腎生検(病理検査)が必要となる症例では、検査入院および必要に応じて治療を開始しています。
・ 高齢者の合併症疾患をあつかうことも多くあります。その代表が誤嚥性肺炎です。多くの併存疾患を抱える症例は、全身管理が重要で、腎臓内科の得意とする分野でもあります。
内分泌糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 44 12.09 14.27 0.00 61.09 PDF
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 16 9.38 11.16 0.00 56.25
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 あり 重症度等 85歳未満 16 12.50 15.87 0.00 69.75
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 あり 重症度等 85歳未満 12 13.17 15.63 0.00 74.25
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 10 11.80 14.63 0.00 60.60
【解説】
内分泌・糖尿病内科では内分泌(ホルモン)疾患と糖尿病をはじめとする代謝疾患を診療しています。糖尿病はその中で抜きんでて多い疾患であるため、入院理由も糖尿病(血糖値をよくするためなど)が一番となっています。内分泌疾患では、高血圧症の原因となる原発性アルドステロン症などの検査目的が多いです。当科は医師3名の体制ですが、糖尿病については看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士などでチーム医療を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 113 17.33 16.48 0.00 73.66
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術処置等2 2あり 49 36.47 40.97 4.08 63.33
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 33 22.03 33.42 0.00 74.88
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術処置等2 5あり 29 25.31 24.70 6.90 74.59
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置等2 3あり 27 29.19 34.49 0.00 70.07
【解説】
・ 血液内科に入院される最も多い疾患は、悪性リンパ腫で、更にそのうちの非ホジキンリンパ腫です。
・ DPCコード1行目の130030xx99x40xは、非ホジキンリンパ腫のうちB細胞リンパ腫で、化学療法としてリツキシマブを投与されています。3行目にある130030xx97x40xは、B細胞リンパ腫で、リツキシマブを投与され、更に輸血療法や、手術療法(リンパ節生検など)を受けている患者さんです。5行目にある130030xx97x3xxは、T細胞リンパ腫などで、化学療法は施行されていますが、リツキシマブを投与されていない患者さんです。
・ 悪性リンパ腫に次ぐ疾患は、急性白血病で、130010xx97x2xxは、 急性白血病(急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病)に対して、化学療法、輸血療法を行った患者さんです。
・ 3番目に多い疾患は、多発性骨髄腫で、130040xx99x5xxは、化学療法(ボルテゾミブ、ポマリドミド、レナリドミド)を中心にした治療を行います。
・ 4番目が骨髄異形成症候群で、入院治療として化学療法、輸血療法を中心とした薬物療法を行います。
・ また、当科では無菌治療室を8床有しています。急性白血病の化学療法や、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫に対する自家末梢血幹細胞移植時などで使用しています。
・ 上記の悪性疾患以外にも、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血などの指定難病や、血友病などの出血性疾患まで、幅広く血液疾患を診療しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 113 11.48 15.61 0.00 72.06 PDF
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 93 6.16 6.64 0.00 61.60 PDF
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 72 2.85 3.58 9.72 41.67
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 62 6.31 7.40 1.61 62.92 PDF
060210xx9910xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 60 10.27 13.52 5.00 74.52
【解説】
外科でもっとも診療実績が多いのは大腸癌(結腸癌と直腸肛門の癌を合わせて大腸癌といいます)、個々に見ると一番多いのは結腸癌で、3番目は直腸肛門の癌です。ほとんどすべての手術を腹腔鏡で行っています。 また在院期間も短く、結腸癌は11日間です。大腸の癌で化学療法が必要な患者様も長期に入院する必要はなく、外来化学療法室で通院しながらゆっくりと治療を受けることができます。
2番目に診療実績の多いのは胆石の疾患で、これもほとんどの症例で腹腔鏡下の手術を行っています。在院期間は最短で術後2日、ほとんどの患者様は4日までに退院されます。総胆管結石を合併された患者様は、術後早い時期に入院継続したまま内科で内視鏡的に治療します。胆嚢結石による急性炎症に対する緊急的な手術も多く、4番目の症例数になっています。急性炎症の手術でも可能な限り腹腔鏡の手術を行っており、早期の退院が可能です。
3番目に診療実績の多い薬物中毒は、横須賀・三浦半島地区の救命救急センターであるため、薬物中毒の患者さんが救急搬送されることが多い反面、2010年1月より横須賀市で設置された自殺未遂者対策検討会を通じた医療機関の連携ができていることがわかります。これからも身体的な面と精神的な面の両面で連携した診療を行っていきます。
上記以外にも胃癌や肝臓・膵臓・胆嚢・胆管・乳腺などの悪性疾患も非常に多く治療しています。悪性疾患は長期の外来での通院が必要ですが、患者さんのお住まいの近所の診療施設と連携して診療を行っていくシステムもあり、患者さんの通院負担が軽くなるようにしています。
すべての疾患は、疾患ごとに専門外来で診療しており各疾患の専門医が治療に当たっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 82 2.62 3.14 0.00 64.38 PDF
PDF
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 68 10.29 11.75 8.82 73.69 PDF
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 56 10.34 7.34 12.50 67.61
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 48 18.23 19.10 52.08 67.98
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 44 15.64 16.38 27.27 74.32
【解説】
・ 当院は地域の救命救急センターを有しており、脳神経外科では主に脳卒中や頭部外傷の救急医療に24時間365日対応しております。
・ 脳卒中とは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が主な疾患ですが、その中で脳梗塞(手術・処置なし)が最も多い症例となっております。
・ 最も多いのは未破裂脳動脈瘤に対する検査や手術のための入院です。脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血を発症する大変危険な病気です。MRIなどで動脈瘤が疑われる場合には脳血管撮影の検査を行い、必要に応じて開頭クリッピング手術や血管内手術(コイル塞栓術)を施します。
・ 次に多い症例は慢性硬膜下血腫の方です。脳神経外科では多くの頭部外傷の患者様の治療にあたっています。頭部外傷の約1‐2か月後に頭蓋骨と脳の間に血液が徐々に溜まってきている病態を慢性硬膜下血腫と言います。血腫が増えて脳が圧迫されると頭痛や運動麻痺の原因になるため、手術によってこの血腫を洗い流す必要があります。
・ 頭部外傷は、軽症の場合には点滴などの内科的治療で十分ですが、脳挫傷や大量の血腫が溜まってしまう場合には、手術が必要になります。
・ 非外傷性頭蓋内血腫とは、いわゆる脳内出血を指します。脳内出血とは高血圧などにより脳内の微細な血管から出血している病態です。出血量により救命や機能改善を目的として血腫を除く手術が必要です。開頭手術の他に内視鏡を使用した手術も行っています。
. 脳梗塞の急性期治療として血栓溶解療法やカテーテルを用いた血栓回収術を積極的に取り入れて対応しております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし 37 23.41 23.93 0.00 72.54
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術処置等2 なし 19 14.32 12.51 0.00 74.95
050050xx01110x 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置等1 1,2あり 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし - - 28.11 - -
050080xx01011x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 定義副傷病 あり - - 41.46 - -
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術処置等2 1あり 定義副傷病 なし - - 28.04 - -
【解説】
・ 腹部大動脈瘤または腸骨動脈瘤に対する手術方法は、外科的動脈瘤切除人工血管置換術を基本術式としています。外科的人工血管置換術は再発や再手術のリスクが少なく、より根治的な治療方法です。その中で、動脈瘤に対するステントグラフト治療は、患者さんの状態や動脈瘤の形態で適応を判断し、よい結果が期待できそうな動脈瘤で行っております。
・ 大動脈解離や胸部大動脈瘤などの胸部大動脈疾患に対する手術も、その約3分の1の症例でステントグラフト治療を行っております。
・ 心臓手術では、弁膜症と虚血性心疾患が併存している患者さんが増加しています。弁膜症の手術だけ、または虚血性心疾患の手術だけを行うことは減っています。弁膜症手術と同時に冠動脈バイパス術も行うといった、複合手術が増えています。
・ 弁膜症手術では小さな傷で手術を行う低侵襲心臓手術(MICS)も行っております。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術処置等2 なし 116 11.78 12.35 0.86 70.97 PDF
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 22 6.09 11.99 0.00 70.55
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 9.33 10.04 0.00 45.95 PDF
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 8あり 10 6.00 11.75 0.00 70.30
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 8.94 - - PDF
【解説】
はじめに:このデータは、DPCコードより検索した結果ですので、本来の各疾患に対する正確な治療法の統計ではなく、かつ一般の方には判りにくいものですので解説します。
当呼吸器外科で最も多く診療している疾患は、肺癌、以下、順に転移性肺腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍の順になります。手術の場合もあれば,手術後の化学療法の事もあります。
1位の「肺の悪性腫瘍 手術あり 手術処置等2 なし」、とは肺癌と転移性肺腫瘍の手術件数の一部の数字、となります。
2位の「肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし」とは、肺癌症例での(主に)手術後の化学療法の件数の一部となります。
3位の「気胸 肺切除術等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし」は自然気胸に対して、胸腔鏡下に手術を施行した件数の一部の数字となります。
4位の「肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 8あり」とは本来2位に含まれるはずの件数ですが、ある特定の抗癌剤を使用している際には2位とは違うカテゴリー(“くくり”)として算出されます。2位と4位を併せて、肺癌症例での(主に)手術後の化学療法の件数の一部となります。
5位の「縦隔の良性腫瘍 手術あり」とは、縦隔腫瘍のうち、胸腺腫(中間悪性度の胸腺腫瘍:良性と悪性の中間に位置する)を除いた、良性腫瘍の手術件数で10件に満たないため数字を掲載していません。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 238 23.03 27.09 50.84 83.14 PDF
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 69 3.33 5.21 0.00 48.96 PDF
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術処置等2 1あり 41 2.22 2.93 0.00 72.85 PDF
160700xx97xx0x 鎖骨骨折、肩甲骨骨折 手術あり 定義副傷病 なし 36 3.56 5.54 0.00 48.39
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 31 19.90 23.14 19.35 73.94
【解説】
当院整形外科では、股関節近位部での骨折で入院される患者さんが最も多くなっています。ほとんどの患者さんは早期に手術を受けてリハビリを開始しますが、もともと高齢の方が多いため、入院期間が長くなってしまいます。最近では地域連携パスも利用して、リハビリ病院に転院される方の割合も少しずつ増えています。
上肢(前腕、鎖骨など)の骨折に対して手術を受けられる患者さんも多いですが、手術翌日に退院される患者さんも多く、入院期間は比較的短くなっています。脊柱管狭窄症に対して検査のみを行っている患者さんの場合もほぼ翌日に退院していることが多く、入院期間は短くなっています。
股関節の変形性関節症や骨頭壊死などに対する人工関節置換術を受けられる患者さんもいますが、多くの患者さんでは2週間程度で自宅に退院しています。入院を継続してリハビリを希望される患者さんは2割程度いらっしゃいますが、その場合はリハビリ病院に転院していただいています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 39 7.49 7.31 0.00 66.69
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 重症度等 片眼 36 8.50 10.21 0.00 61.94
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術処置等2 なし 重症度等 片眼 29 7.62 7.96 0.00 57.31
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 重症度等 片眼 16 4.56 6.63 6.25 72.44
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし - - 7.38 - -
【解説】
・ 眼科で入院される患者さんは、ほぼ手術目的です。
・ 白内障手術の患者さんが最も多いのですが、ここには表示されていません。
・ 白内障手術以外で多いのが、ここで記載されている網膜硝子体疾患です。増殖糖尿病網膜症や網膜剥離といった、放置することで失明につながる重篤な疾患に対しては、早急に手術対応することを心がけております。
・ 網膜剥離の場合、近隣医療機関から当科にご紹介いただいた当日、もしくは翌日に手術を行うよう努めています。
・ 黄斑部の手術は、黄斑円孔や黄斑前膜といった疾患が適応となります。これらは緊急疾患ではありませんが、手術時期が遅れると術後の視機能回復に影響が出るため、早めの手術加療を行っています。
・ 入院期間は全ての眼底疾患で9日以内と短期間です。短期間であっても、患者さんに対する術後点眼指導や、ガスを眼内に入れた患者さんへの体位説明などをしっかり行い、安全確保に努めています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 61 7.56 8.01 0.00 15.11
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術処置等2 なし 45 8.44 9.20 0.00 60.82
030428xxxxxxxx 突発性難聴 38 8.66 9.18 0.00 62.37
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 36 7.56 7.23 0.00 58.75
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 15.46 13.70 0.00 66.89
【解説】
・平成29年度耳鼻いんこう科で最も多い症例は慢性扁桃炎やIgA腎症、睡眠時無呼吸などで扁桃摘出を受ける患者さんなります。次に甲状腺腫瘍(悪性腫瘍含む)手術で腫瘍を摘出した患者さんになります。次は突発性難聴で入院ステロイド漸減治療をしている患者さんです。当院では重度の感音難聴にはステロイドを直接鼓室内に投与する治療や末梢循環改善のプロスタンディンを併用しています。
その次に多いのは、慢性副鼻腔炎で、内視鏡下の副鼻腔手術を行う患者さんになります。内視鏡下でナビゲーションシステムを併用することで、低侵襲かつ安全に施行しています。5番目に多いのは頭頚部悪性腫瘍(癌)の患者さんで化学療法や放射線治療、手術をしています。当院では症例に応じて超選択的動注治療や侵襲の少ない経口的アプローチでの手術も積極的に取り入れています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 177 6.51 7.31 0.00 73.35 PDF
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 126 7.03 9.73 0.00 74.39 PDF
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術処置等1 なし 定義副傷病 なし 125 5.01 5.75 0.00 60.26 PDF
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術処置等2 なし 85 12.11 12.92 0.00 69.67 PDF
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病 なし 54 6.76 7.20 0.00 66.13
【解説】
膀胱がんに対して内視鏡を用いた手術を数多く行っています。 前立腺肥大症に対してはレーザーや電気凝固を用いた内視鏡手術を多く行っています。 腎や尿管の結石に対しては日帰りでできる体外衝撃波や内視鏡治療を行っています。前立腺がんに対しては手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて、より繊細で低侵襲な手術を行っています。腎がんに対しても手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた腎部分切除を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術処置等2 なし 21 2.14 3.29 0.00 69.71
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 17 4.59 6.45 0.00 47.59
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術処置等1 なし 11 5.36 4.86 0.00 53.82
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 10 10.00 8.02 0.00 54.40
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置等2 なし - - 8.50 - -
【解説】
<眼瞼下垂>
眼瞼下垂は東洋人に多い疾患です。うわまぶたの下垂が高度になると頭痛や肩こりの原因になることが約20年前に報告されてからこの手術を希望する患者さんは増加傾向です。
眼瞼下垂のタイプはいくつかあり、患者さんの病態にあった術式を選択しお勧めするようにしています。
・挙筋前転術:まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が緩んだり外れたりすることが下垂の原因の症例に施行します。
・その他:主に皮膚の余剰(たるみ)が下垂の原因になっている症例には眉毛の下で余剰な皮膚眼輪筋を切除する手術を行なっています。
いくつかの症例は上記のタイプが混在しており、両方の手術が必要になる事があります。
手術は通院でも可能ですが、術後の血腫/腫脹予防、患部のクーリングや安静が必要なため、1~2泊入院をお勧めすることが多いです。
<皮膚、皮下腫瘍摘出術><その他の新生物>
良性腫瘍は実に様々なタイプがあります。
・露出部:Tシャツ、半ズボンをはいたときに露出される部位にある腫瘍の事です。
・非露出部:上記と反対にTシャツ、半ズボンをはいたときに衣服に隠される部位にある腫瘍の事です。
良性腫瘍は上記の部位以外でも深度(皮膚にあるのか筋肉の中なのか)や腫瘍の大きさなどによって、術式が大きく異なり、入院も1~2泊から2週間程度までバラツキがあります。患者さんには術前の外来で患部の写真をとり、切除線や切除後の瘢痕、手術から術後の流れをできるだけ具体的にイメージ出来る様な説明を心がけています。
<骨軟部腫瘍>
最も多いのは脂肪腫です。多くの方は「脂肪の塊」と言うと「粉瘤」「顔のおでき」をイメージするようですが、実際には表面に見えにくいしこりです。マッサージなどしていて皮下のしこりに気づかれる事も多いです。痛みなどの自覚症状はほとんどなく、背中など見えない部位ではかなり大きくなってから発見されることも多い腫瘍です。サイズが大きく深部にある腫瘍では全身麻酔で2週間程度の入院が必要になることもあります。
<乳房再建>
乳癌の手術と同時(同日)に再建する同時(一時)再建と、乳癌の治療が一段落してから再建する二次再建の両方行なっています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 102 8.45 8.95 0.00 72.78 PDF
PDF
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置等2 なし 57 5.04 8.50 0.00 77.04 PDF
PDF
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 42 10.55 11.73 2.38 68.12 PDF
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置等1 なし 15 2.33 4.14 0.00 63.33 PDF
080110xxxxx0xx 水疱症 手術処置等2 なし 15 36.67 29.24 20.00 76.27
【解説】
・ 帯状疱疹は汎発疹、顔面の三叉神経領域、外陰部など特殊部位、皮疹が広範囲に及ぶものなどを入院としております。
・ 皮膚悪性腫瘍はボーエン病や基底細胞癌、有棘細胞癌に対する手術以外にも悪性黒色腫等に対しても治療を行っております。
・ 悪性腫瘍は悪性黒色腫に対しがん免疫療法抗PD-1抗体(オプジーボ等)、分子標的剤(BRAF阻害剤、MEK阻害剤)使用可能となりました。
・ 蜂窩織炎、丹毒、壊死性筋膜炎等の細菌感染症などの皮膚感染症も積極的に治療しております。
・ 悪性腫瘍以外に皮膚良性腫瘍も1泊2日で入院加療しております。
・ 自己免疫性水疱症に対してステロイド投与で難治症例に大量ガンマグロブリン療法、血漿交換、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤などを用い集学的治療を行っております。
・ 上記以外に皮膚科では、皮膚疾患全般の診療を行っておりますので皆様からの御紹介お待ちしております。今後とも宜しくお願い致します。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 89 6.81 6.28 0.00 47.78 PDF
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 79 9.70 9.67 0.00 34.19
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 75 5.83 6.37 0.00 45.60 PDF
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 63 4.84 4.98 0.00 61.65 PDF
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 55 3.18 5.93 0.00 33.02
【解説】
当院は、難産の予想される症例(多胎、骨盤位、いわゆるさかご)などの近隣診療所からの紹介妊婦様も多く、また、近隣診療所や病院かかりつけの妊婦様の急変対応もしているためどうしても帝王切開症例数は多くなっております。今年度よりNICUの受け入れ可能週数が27週になったことで、より若い週数での分娩が予想される妊婦さんを遠方まで搬送すること無く当院で受け入れることができるようになりました。子宮筋腫など良性腫瘍の手術は昨年度より婦人科内視鏡手術専門医が常勤となったためほとんどの手術は腹腔鏡で遂行され、入院日数も短くなり患者様の負担も軽減されています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 69 6.39 5.94 1.45 0.51 PDF
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術処置等2 なし 66 9.08 11.49 3.03 0.00
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 62 5.92 6.18 0.00 0.00
040100xxxxx00x 喘息 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 34 7.12 6.32 0.00 2.79
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 6.87 5.70 0.00 2.70
【解説】
・ 小児科外来では発熱、咳、発疹などの一般外来の他にアレルギー、心臓、腎臓、内分泌、発達の外来を開設しており、喘息、食物アレルギー、低身長、糖尿病などの患者さんの診察や乳児健診や学校健診の2次検査にも対応しています。
・ 小児担当の臨床心理士による小児の心理相談も行っています。
・ 入院患者では肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症の患者さんが多く見受けられます。その他にも胃腸炎、尿路感染症をはじめとする感染症にかかわる入院が多くいらっしゃいます。
・ 川崎病、アレルギー性紫斑病などの入院や、食物アレルギーの負荷試験、MRIの検査など注意深い観察が必要になる検査にも対応しています。
・ 新生児集中治療室では分娩のストレスによる一過性の呼吸障害をみとめる新生児や予定日より早く生まれ低体重で未熟な新生児を主に治療しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
がんのUICC病期分類(ステージ分類)とは・・・・
がんの進行度や広がり具合を表すものです。StageⅠが進行度が低く、StageⅣが最も進行した病気を表しています。ステージ分類の方法は、国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用のがんの分類方法を基準としています。
(UICC TNM分類第7版準拠)

【定義】
・5大癌を、ICD-10毎に集計しています。
・患者数の数え方は、1入院ごとです。同一の患者が2回入院した場合は、2件で集計しています。
・初発と再発の患者数は分けて集計しています。
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 108 21 11 40 17 51 1 7
大腸癌 88 54 109 57 48 49 1 7
乳癌 60 44 12 - - 16 1 7
肺癌 124 45 127 164 155 260 1 7
肝癌 18 - - - - 97 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【解説】
胃癌、大腸癌の患者さんに対しては、外科・消化器内科で診療を行っています。胃癌は早期の症例は内視鏡治療を行っています。内視鏡治療では根治できない、比較的早期の症例は、腹腔鏡手術で治療を行っています。大腸癌の手術はほぼ全例で腹腔鏡下手術を行っています。早期の大腸癌は手術のみにより、根治が得られますが、進行大腸癌に関しては、術前あるいは術後に、化学療法も併用しています。腹腔鏡手術による低侵襲のため在院期間は12日程度で、非常に短くなっています。胃癌の症例で内視鏡的切除では、治すことのできない早期癌の症例では、腹腔鏡下の手術を行っています。この場合も早期の退院が可能です。ある程度の進行した胃癌に関しては、開腹による手術を行っています。
乳癌は、乳房を温存する手術を基本とし、リンパ節転移を調べるために、従来の色素法だけでなくラジオアイソトープを用いたセンチネルリンパ節の検索も行っています。外科における癌治療は、侵襲は極力少なく、根治性の高い治療を皆様に提供しています。
肺癌の患者様に対しては、おもに呼吸器内科・外科、病理科、放射線科、化学療法室、緩和ケア部門で診療を担当しています。大きく分けて、診断、病期判定のための検査を呼吸器内科で管轄し、画像診断、病理組織診断の結果を待ち、キャンサーボードの場で個々の患者様の体力、ADL、PSも加味して治療方針決定(外科手術になりうる患者さんでは手術適応の決定)を行っています。非小細胞肺癌で、手術適応があり、患者様が手術を希望された場合には、肺癌診療のガイドラインにしたがって適切な手術術式を選択しています。その他の病期の患者様と小細胞肺癌症例では化学療法、放射線治療と緩和ケア療法のいずれか、ないしそれらの組み合わせによる治療を行っています。
また、診療圏の特性より病期分類ならびに再発患者数に全国平均やがん治療専門施設とは異なる特徴がありますので解説致します。
第一に、当院の属する横須賀三浦二次医療圏では、高齢者ならびに喫煙者、過去喫煙者が多いことが挙げられます。
このため、医療機関にかかるのが遅れたり、折角ご紹介をいただいても、精密検査を受けるのが億劫である、ないし気分が載らないなどの、患者サイドでの遅れが生じることも比率が高いようです。(StageⅣが多いことの1つの理由)
第二に、心血管疾患、脳血管疾患、慢性呼吸器疾患を併発している患者様の比率も高く、その気があっても精密検査に至らない、辞退してしまう、検査に耐えられず中途で終わるなどで進行度の評価が困難である比率(Stage不明者が多い)も増えています。
第三に、治療(手術ならびに化学療法)を行うのに到達しても、手術では根治術が充分出来ない患者様も少なくはない。
さらには併存疾患のため、内科的に充分な化学療法ができない、ないし術後補助化学療法が出来ない患者様も多く、したがって再発例も多くなりがちな傾向です。
肝癌はステージや肝機能・病変部位により手術・局所療法(ラジオ波焼灼焼灼療法)・肝動脈塞栓術など治療法を決定します。当院は様々なステージの患者さんが紹介来院するため、治療法や予後も様々になります。また、背景に慢性肝疾患を認めることが多く高率に再発します。そのため、定期的な画像検査を施行しその都度最適な治療法を選択します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
成人の市中肺炎の患者さんを重症度毎に集計しています。

【定義】
・市中肺炎を、ICD-10毎に集計しています。
・市中肺炎とは普段の生活を送っている中でかかる肺炎のことです。
・平成29年4月1日~平成30年3月31日の期間に退院した症例から重症度毎に集計しています。
・症例数が10件未満のものは「-(ハイフン)」表記となっています。
・重症度分類は成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類A-DROPスコアを用いています。
・20才未満は集計対象外です。
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 10.75 60.67
中等症 185 16.17 77.04
重症 62 19.63 82.00
超重症 42 17.45 80.83
不明 - - -
【解説】
患者数が最も多いのは中等症件の185件となっています。また、軽症の患者さんの平均年齢は約61歳ですが、重症度に相関して平均年齢も上がります。今年度は重症の方が超重症の方より平均年齢が高い結果となりましたが、一般的に市中肺炎は高齢の方ほど重症化の傾向にあります。
この指標には表されていませんが、緊急入院の患者さんが多くなっています。
その他の疾病を含め多くの緊急入院患者さんを受け入れるために、肺炎の方は連携している病院へ転院して頂き、安心して治療継続できる体制になっています。そのため、重症の患者さんでも在院日数の延長が見られません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
脳梗塞に関連する傷病名毎に、その症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示したものです。

【定義】
・脳梗塞の関連疾患を、ICD-10毎に集計しています。
・症例数が10件未満のものは「-(ハイフン)」表記となっています。
・平均在院日数とは、傷病毎の入院日から退院日までの平均日数です。
・転院率とは、傷病毎の症例数のうち、他病院へ転院となった患者さんの割合を示しています。
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 398 20.44 76.24 38.44
その他 41 14.15 72.49 19.51
【解説】
・ 脳梗塞は、主に脳神経外科と神経内科が入院の担当をしております。

・ 救急車等で緊急受診される発症3日以内の急性期脳梗塞が9割以上を占めます。比較的重い麻痺のある
  脳梗塞に対し、発症から4.5時間以内に治療を開始する血栓溶解療法や、カテーテルを使用した血栓回収
  術を積極的に行っております。

・ 急性期の治療後、継続して長く入院リハビリテーションを必要とする患者さんや、今後ご自宅へ帰るのが困難な
  方は、家族の方に院内のケースワーカーと面談して頂き、その後の転院について相談いたします。

・ 当院では皆様方にご安心いただけるように、治療内容やリハビリの進捗状況などを記載した「神奈川県共通脳
  卒中パス」を利用し、転院先との情報共有に努めております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
診療科別の手術症例数上位5つと、その平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示したものです。

【定義】
・Kコード(手術の点数表コード)により集計しています。輸血関連は除外しています。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの平均日数です。(手術当日は含みません。)
・平均術後日数とは、手術日から退院日までの平均日数です。(手術当日は含みません。)
・転院率は、術式ごとの全退院数のうち、他病院へ転院した患者さんの割合を示しています。
・症例数が10件未満のものは「-(ハイフン)」表記となっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 747 1.71 2.80 0.54 71.93
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 656 0.99 2.38 0.00 64.52
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 180 1.45 2.87 0.56 74.05 PDF
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 179 1.22 1.96 0.00 59.92 PDF
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 82 0.01 17.66 4.88 71.90
【解説】
経皮的カテーテル心筋焼灼術
当院におけるカテーテル心筋焼灼術症例の内、約80%が心房細動症例であり、最近10年間の心房細動アブレーション患者総数(実数)は7000例を超えています。その長期成績(5年以上)は、発作性心房細動で90%、持続性心房細動で75%の症例で心房細動抑制率を示しています。また、手術時間は、発作性心房細動で2-3時間、持続性心房細動で3-4時間であり、また、独自の合併症対策による安全なアブレーションが可能となっており、本アブレーションは、当院において通常の治療となっています。最近では、多くの病院で心房細動アブレーションが行われるようになっているためか、他院での不成功例や他院で諦められた患者様を紹介されることが増えており、これら患者様においても約80%の成績を維持しています。
その背景には、当院で考案し、現在、全世界で施行されている拡大肺静脈隔離法を確実に行い、これを基礎に、その他の原因部位の徹底的な検索および焼灼を行う方法を継続していることが、当院において心房細動アブレーションが日常の治療となっている理由です。

カテーテル心筋焼灼術のためのカテーテル室は、3室稼動しており、各部屋には、最新の三次元マッピングシステムを装備しています。最も難しいとされる心房細動アブレーションを施行可能な医師が6名在籍し、1日に平均4例の心房細動アブレーションを行い、治療はもとより、医師の指導体制や看護師・臨床工学士・放射線技師とのチーム体制も充実させています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 486 0.10 1.15 0.00 67.05 PDF
K654 内視鏡的消化管止血術 137 0.50 10.58 5.11 74.34
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 110 2.17 8.78 2.73 73.67 PDF
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 73 3.08 10.52 2.74 76.03 PDF
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 67 0.22 1.36 0.00 68.43 PDF
【解説】
消化器内科で最も施行されている手術は内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術です。午後に下部消化管内視鏡(大腸カメラ)を施行し、その後入院し、特別合併症がなければ翌日退院(1泊2日)になります。
その次に多い手術は内視鏡的消化管止血術です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などからの出血を内視鏡的に止血します。主に緊急処置として施行します。
3番目に多い手術は内視鏡的乳頭切開術です。総胆管結石などの治療のために乳頭を内視鏡的に切開し結石などを排除します。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 10 18.40 45.30 50.00 74.00
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 10 9.50 8.20 0.00 36.30
K508 気管支狭窄拡張術(気管支鏡によるもの) - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
【解説】
気管切開術は、重症呼吸不全の患者が集中治療室で救急科による治療が行われた後、一般病床に移動する際に呼吸器内科に転科しているため、指標にあげられています。その後の回復は難しく、入院日数も長期となり、退院の半数が転院となっています。
自然気胸に対する治療で行われる胸腔鏡下肺切除術が指標に挙げられています。これは自然気胸の治療を呼吸器内科で持続的胸腔ドレナージを行った後、軽快が得られなかった場合、迅速に呼吸器外科で手術治療を行っている結果を示しています。このように、呼吸器内科、呼吸器外科が緊密に連携して治療を行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 102 3.94 6.36 4.90 68.59 PDF
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 34 3.85 9.26 0.00 72.00 PDF
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 12 4.83 10.83 8.33 74.17
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 12 2.17 14.50 0.00 65.00 PDF
PDF
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) - - - - -
【解説】
内シャント(バスキュラーアクセス)は、血液透析を行う上で必要なものです。血液透析では毎回2カ所針を刺し(穿刺)、血液を外に導くための穿刺と、血液を体内に戻すための穿刺が必要となります。腎臓内科の手術では、この内シャントを作成する手術が最も多いです。内シャント手術は、動脈と静脈をつなげて流れの良い動脈の血液が直接静脈へ流れるようにします。それにより、静脈の流れも良くなり、血管が太くなることで、血液透析の際の穿刺が容易となり、透析のための十分な血液確保が可能となります。その一方で、ご自分の血管だけでこの内シャントが作成できない症例があります。そういった症例では人工血管を使用してシャントを作成します。シャントは1度の手術で永久的に使用できるものではありません。血管が一部細くなった場合には、経皮的シャント拡張術(風船のついたカテーテルでの治療)が必要となったり、シャント閉塞(シャント血流が途絶)してしまったケースでは、カテーテルで固まってしまった血栓を除去する手術も可能です。しかし繰り返すカテーテル治療やシャント閉塞の場合には、他の部位に内シャントを作成しなおすケースもあります。
その他、当院では外来での内シャント手術やシャントカテーテル治療なども症例によっては実施しています。腹膜透析カテーテル留置は症例数は少ないものの、腎臓内科で実施しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 177 1.59 4.19 1.13 63.00 PDF
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 160 1.43 2.22 0.00 70.83 PDF
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 130 3.37 8.46 0.00 72.06 PDF
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 95 0.41 1.06 0.00 72.84
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 47 1.32 3.06 0.00 65.87
【解説】
外科で最も手術が多いのは、胆嚢結石症などの腹腔鏡下手術です。通常の腹腔鏡手術に加えて、若年女性には整容性の高い単孔式(通常の腹腔鏡下手術は4孔)の手術も行っています。術前日に入院していただき、早い人は術後2日目で退院します。
2番目は鼠径ヘルニア(脱腸)の手術です。腹腔鏡による場合と、皮膚を切開して行う場合があり、年齢・状態などを考慮して手術法を検討しています。術後2-3日での退院となります。また、日帰り手術センターを開設いたしましたので、手術当日に来院していただき手術を行い、1泊の入院でご帰宅いただけることが可能になりました。
3番目は結腸癌の腹腔鏡下手術です。術後2日前に入院していただき、術後4日目には食事が召し上がれるようになり、10日ほどで退院します。
4番目は大腸ポリープの内視鏡的切除です。早期の大腸癌には内視鏡的に切除するだけで治すことのできる場合があり、早期に発見して早期に治療することにより、不要の手術を避けることができます。
5番目は乳癌に対する手術です。乳癌は、乳房を温存する手術を基本とし、リンパ節転移を調べるために、従来の色素法だけでなくラジオアイソトープを用いたセンチネルリンパ節の検索も行っています。形成外科と協力して乳房の再建も積極的に行っています。
当科の年間手術数は1500例で、上記以外に多数の疾患に多数の手術治療を行っています。
また、当科ではにクリニカルパス(治療の予定表の様なもの)を用意しています。患者様にご自分の病気とその治療についてクリニカルパスを用いて説明させていただき、ご理解いただいて効率的に安全な治療が行えるようにしています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 70 0.49 9.56 10.00 74.31
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 50 1.84 16.86 14.00 64.58
K1781 脳血管内手術(1箇所) 38 1.82 11.18 13.16 63.74
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 38 5.92 7.95 23.68 76.71
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 30 5.70 22.47 20.00 65.80
【解説】
・脳神経外科では多くの頭部外傷の患者様の治療にあたっています。頭部外傷の約1‐2か月後に頭蓋骨と脳の間に血液が徐々に溜まってきている病態を慢性硬膜下血腫と言います。血腫が増えて脳が圧迫されると、手術によってこの血腫を洗い流す必要があります。
・次に多い手術は脳動脈瘤頸部クリッピング術です。脳動脈瘤は破裂によりくも膜下出血を引き起こします。一度破裂すると高い確率で再破裂を生じ病態が悪化してしまうので、再破裂予防の開頭クリッピング術が必要です。状況によってはコイル塞栓術などの血管内治療を選択することもあります。未破裂瘤に対しても将来の破裂予防のためにこれらの治療を施します。
・脳血管内手術はカテーテルを用いた手術手技のことで、対照は多岐にわたりますが、主なものは脳動脈瘤に対するコイル塞栓術です。開頭クリッピング術とどちらが有効性安全性に秀でているかを患者さんごとに検討し、治療法を選択します。
・頚動脈ステント術とは、内頚動脈狭窄(細くなっていること)に対し、網目状のメッシュを用いて狭窄を広げるカテーテル治療のことを指します。
・開頭腫瘍摘出術は腫瘍の種類により摘出方法も異なりますし、手術後の追加治療法も変わってきます。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術(1弁のもの) 26 3.50 19.00 0.00 77.81
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 16 2.44 12.38 0.00 74.75
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)) 12 3.33 15.25 0.00 74.50
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 11 6.73 17.64 9.09 74.36
K5943 不整脈手術(メイズ手術) 10 3.70 16.50 0.00 66.30
【解説】
弁膜症や虚血性心疾患の予定手術では、手術の3から4日前に入院していただき、手術後は2週間ほどで退院されるかたがほとんどです。
しかし、心臓の病気が悪化し、心不全となって緊急入院し、薬物治療で心不全が落ち着いても、心臓の病気のため自宅退院はできず、そのままの入院で手術が必要となるかたも増えています。そうなると、手術後の回復も遅くなり、入院期間が延びてしまいます。
心臓や大血管の病気は,症状が軽い,または病勢が悪化する前に、適切な治療を行うことが、早期回復への近道です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 49 2.57 11.31 2.04 71.57 PDF
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 47 1.98 6.38 0.00 71.13 PDF
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 19 4.37 3.84 0.00 47.21 PDF
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの) 11 3.36 4.73 0.00 58.36 PDF
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 10 3.30 9.80 0.00 69.60
【解説】
はじめに:このデータは、手術Kコードより検索した結果ですので、本来の各疾患に対する正確な治療法の統計ではなく、かつ一般の方には判りにくいものですので解説します。

呼吸器外科で最も多い手術は、肺の悪性腫瘍に対する肺葉切除ないし肺全摘術で、次が部分切除術、その次が区域切除術です。肺の悪性腫瘍とは①原発性肺癌と②転移性肺腫瘍です。
次に、若年者を中心として、自然気胸の手術や、検診で偶然に見つかる事の多い縦隔腫瘍という疾患に対しても、ほとんどの場合で胸腔鏡下手術で対応が可能です。

1位の胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)とは、内視鏡(胸腔鏡)を用いて、小さな傷で肺癌の手術を施行している数字です。
2位は内視鏡(胸腔鏡)を用いて、小さな傷で肺癌ないし転移性肺腫瘍の手術を施行している数字で、大きく切除しなくても良い(あるいは大きな切除が出来ない)状況で、肺の一部分を楔状に切除している数字です。
3位は、自然気胸に対して、胸腔鏡で行っている手術の件数です。
4位は、主に良性の肺腫瘍や炎症性肺疾患に対して、肺の部分切な切除と縫合を胸腔鏡で行っている手術の件数です。
5位は、肺癌に対して、胸腔鏡での手術が妥当でない場合、従来の開胸の方法で行う件数です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 196 1.82 18.01 40.82 79.72 PDF
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 101 1.56 5.25 6.93 57.63 PDF
PDF
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 86 1.91 20.20 51.16 80.64 PDF
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿) 56 1.04 3.14 0.00 49.20 PDF
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 54 2.17 17.41 16.67 75.41 PDF
【解説】
当院整形外科では、股関節近位部での骨折で手術を受ける患者さんが最も多くなっています。骨を接合する手術と人工の骨頭に取り換える手術の2種類がありますが、いずれも高齢の方が多いため、入院期間が長くなってしまいます。最近では地域連携パスも利用して、リハビリ病院に転院される方の割合も少しずつ増えています。
前腕の骨折に対して手術を受けられる患者さんも多いですが、入院期間は比較的短くなっています。骨内異物除去術は前腕や下腿の骨折後の固定材料を取り除く手術ですが、多くの方が手術翌日に退院されています。
人工関節置換術は膝や股関節の変形性関節症に対して行われることが多く、多くの患者さんで2~3週間で自宅へ退院可能となっています。入院を継続してリハビリを希望される場合には、リハビリ病院への転院をしていますが、その割合は約17%です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 636 1.15 1.01 0.00 75.45
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 99 1.16 5.37 1.01 63.63
K275 網膜復位術 26 0.50 6.96 0.00 59.08
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 13 1.15 3.77 0.00 57.46
K279 硝子体切除術 11 1.36 1.18 0.00 76.73
【解説】
眼科で最も多い手術は、白内障に対する水晶体再建術です。全身合併症のある症例や手術難易度の高い症例にも対応するため、基本は入院手術(2泊3日)で行っています。

次いで多いのが硝子体茎顕微鏡下離断術です。増殖糖尿病網膜症や網膜剥離、黄斑円孔や黄斑前膜などに対する手術になります。患者様の年齢と眼の状態により、白内障に対する水晶体再建術と同時に行うことがあります。同時手術の件数はここではカウントしていません。この硝子体の手術は、機器の進歩もあり、小切開かつ効率のよい手術が可能となり、眼に対する負担も以前より少なくなっています。

重度の網膜剥離や増殖糖尿病網膜症・増殖硝子体網膜症に対する手術にも対応しております。

網膜剥離の治療は、硝子体手術とバックルを使用する網膜復位術を、症例ごとに適切に使い分けています。

いずれの症例も近隣施設からのご紹介で手術しており、術後は安定期に入れば紹介元に逆紹介させていただき、病診連携を図っております。したがって退院後そのまま転院する方はおりません。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 58 0.98 6.14 0.00 16.17
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 28 1.21 5.04 0.00 54.93
K319 鼓室形成手術 21 1.71 9.90 0.00 53.62
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 21 1.33 5.95 0.00 60.24
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 17 1.00 4.76 0.00 70.35
【解説】
耳鼻いんこう科で最も多い手術は慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術です。次は慢性副鼻腔炎に対する内視鏡手術でナビゲーションを用いて手術をしています。次に慢性中耳炎に対する鼓室形成術で4番目は甲状腺悪性腫瘍手術で、甲状腺癌の摘出手術です。5番目は、声帯ポリープや喉頭腫瘍などに対する喉頭直達鏡下喉頭腫瘍摘出術で顕微鏡下の手術になります。その他、頭頚部腫瘍に対する手術や、頭頚部癌の手術、鼻疾患に対する鼻中隔矯正術や鼻甲介切除術なども多く手術しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術(電解質溶液利用のもの)) 185 1.52 4.11 0.00 73.36 PDF
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 132 1.70 4.74 0.76 73.94 PDF
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 124 1.22 2.79 0.00 60.94 PDF
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 77 1.36 9.75 0.00 69.70 PDF
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 69 0.83 6.13 2.90 72.49 PDF
【解説】
膀胱がんに対して内視鏡を用いた手術を数多く行っています。 前立腺肥大症に対してはレーザーや電気凝固を用いた内視鏡手術を多く行なっています。 腎や尿管の結石に対しては日帰りでできる体外衝撃波や内視鏡治療を行っています。前立腺がんに対しては手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて、より繊細で低侵襲な手術を行っています。腎がんに対しても手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた腎部分切除を行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 16 0.00 1.19 0.00 73.00
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 10 0.80 4.80 0.00 71.00
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル以上4センチメートル未満) - - - - -
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - - - -
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4センチメートル以上) - - - - -
【解説】
<眼瞼下垂>
眼瞼下垂は東洋人に多い疾患です。うわまぶたの下垂が高度になると頭痛や肩こりの原因になることが約20年前に報告されてからこの手術を希望する患者さんは増加傾向です。
眼瞼下垂のタイプはいくつかあり、患者さんの病態にあった術式を選択しお勧めするようにしています。
・挙筋前転術:まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が緩んだり外れたりすることが下垂の原因の症例に施行します。
・その他:主に皮膚の余剰(たるみ)が下垂の原因になっている症例には眉毛の下で余剰な皮膚眼輪筋を切除する手術を行なっています。
いくつかの症例は上記のタイプが混在しており、両方の手術が必要になる事があります。
手術は通院でも可能ですが、術後の血腫/腫脹予防、患部のクーリングや安静が必要なため、1~2泊入院をお勧めすることが多いです。
<皮膚悪性腫瘍切除>
皮膚の悪性腫瘍は残念ながら近年増加している疾患のひとつです。手術に際しては手術部位の写真を撮って手術でどこを切除するかを具体的にお話しするように心がけています。術後の化学療法などは皮膚科と相談しながら行なっており、少しでも安心して治療を受けていただけるように努めています。
<皮膚、皮下腫瘍摘出術>
良性腫瘍は実に様々なタイプがあります。
・露出部:Tシャツ、半ズボンをはいたときに露出される部位にある腫瘍の事です。
・非露出部:上記と反対にTシャツ、半ズボンをはいたときに衣服に隠される部位にある腫瘍の事です。
良性腫瘍は上記の部位以外でも深度(皮膚にあるのか筋肉の中なのか)や腫瘍の大きさなどによって、術式が大きく異なり、入院も1~2泊から2週間程度までバラツキがあります。患者さんには術前の外来で患部の写真をとり、切除線や切除後の瘢痕、手術から術後の流れをできるだけ具体的にイメージ出来る様な説明を心がけています。
<人工乳房を用いた乳房再建>
シリコンバックを用いた再建方法です。シリコンバックが保険適応になった事や体への負担が比較的少ない事から最近増加している再建方法です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 45 0.22 2.60 0.00 77.42
K013-22 全層植皮術(25平方センチメートル以上100平方センチメートル未満) 12 0.92 6.50 0.00 77.50
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4センチメートル以上) 11 0.45 1.00 0.00 58.18
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3センチメートル以上6センチメートル未満) 11 0.00 1.00 0.00 60.55
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル以上4センチメートル未満) - - - - -
【解説】
・皮膚科では主に皮膚腫瘍に対して手術を行っております。
・手術症例で多いのは皮膚悪性腫瘍切除です。悪性腫瘍はボーエン病、基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外Paget病が主なものになっております。
皮膚悪性腫瘍の手術対象者は高齢者が多くをしめるため短期入院を心がけております。
・次に多い手術は悪性腫瘍や良性腫瘍切除後の皮膚欠損に対して行う全層植皮術となります。術後安静が必要な症例が多く1週間前後の入院期間となります。
・3番目以降は良性腫瘍切除になっており、サイズの大きなものは入院で行うことが多いです。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 95 1.05 4.08 0.00 44.54 PDF
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 91 1.05 4.88 0.00 49.66 PDF
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 74 4.95 7.49 0.00 34.31
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 65 4.68 8.52 0.00 32.86
K867 子宮頸部(腟部)切除術 63 1.00 0.02 0.00 43.67 PDF
【解説】
周産期機関病院として、難産が予想される妊婦様も積極的に診察しており、また今年度よりNICUの受け入れ可能週数が若くなったためよりハイリスクな妊婦さんも当院で分娩ができることとなりました。そのため予定の帝王切開、緊急の帝王切開ともに多い傾向となります。次いで多い子宮頸部の切除術は、子宮頸部も初期癌や異形成などで、子宮を残し、出産可能とするための大切な手術です。子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣腫瘍などの良性疾患でほとんど腹腔鏡下手術となり、子宮脱に対する腹腔鏡手術、メッシュ手術も積極的に取り組んでおります。 今年度よりロボット支援下手術も開始され、婦人科手術はより侵襲が少ない方向に進んでおります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
入院中に、最も多くの処置や検査を行って治療・管理をおこなった病名をもとに、患者数と発症率を集計しています。

【定義】
・対象となる症例を、ICD-10毎に集計しています。
・患者数の数え方は、1入院毎です。同一の患者が2回入院した場合は、2件で集計しています。
・入院契機病名とは、入院のきっかけとなった傷病名を指します。
・異なる・同一の判定はICD-10コードで判定しています。
・発症率は全患者数のうち、該当患者がどのくらいの割合いるかを指しています。
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 44 0.22
180010 敗血症 同一 82 0.41
異なる 87 0.44
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 98 0.50
異なる 12 0.06
【解説】
播種性血管内血液凝固異常(DIC)と敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(入院医療費が高額になる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われるDPC病名とされています。厚生労働省の平成28年度全国DPC対象病院データの集計では、全症例に対する割合は性血管内血液凝固異常(DIC)が、0.16%、敗血症は0.57%でした。

当院のデータは、播種性血管内血液凝固異常(DIC)が、0.22%、敗血症は、0.85%でした。この指標には表されていませんが、これらの疾患は、60~80歳代の患者さんが多く、地域医療の中核病院として重症の救急搬送を多く受けているためと考えられます。手術・処置等の合併症は、全国データ0.73%で、当院のデータは0.56%です。手術・処置等の合併症での入院は、DPC病名と入院契機病名が「同一」の患者さんの方の割合が「異なる」より高くなっています。これは合併症の発症を契機として入院され、元々の病気の関連として治療を受けられているという事です。手術・処置等は、合併症を起こさない様に施行していますが、ある一定の確率で起こり得ます。起こりうる合併症については、出来る限り事前に説明し、同意を頂くように努めています。
更新履歴
2018.9.28
情報公開