胃|専門分野のご紹介

 

胃癌の治療

胃癌に対する治療は、病巣部の切除が最も確実な方法です。現在では、病巣の大きさに応じて、治療法が細分化されています。当院では、以下の治療法をおこなっています。

1) 主な術式の説明
名 称 解 説
胃全摘術 広範囲に拡がった癌や、胃の入り口(噴門)に近い癌で選択します。進行癌でリンパ節転移が高度な場合には、脾臓や胆嚢(場合によっては膵臓の一部も)をあわせて切除することもあります。食道と空腸とを吻合し、食物の通り道を確保します。
幽門側胃切除術 胃の出口側(幽門側)に主体がある胃癌に対して、入り口(噴門)の胃(1/4-1/3)を残して胃を切除する術式です。残った胃と十二指腸あるいは空腸とを吻合し(つなぎ)、食物の通り道を確保します。
噴門側胃切除術 胃の入り口側(噴門側)にできた早期胃癌で、内視鏡で切除の適応とならない場合などに適応となる場合があります。
胃部分切除術
(幽門輪温存胃切除術を含む)
胃の中央部にある早期胃癌でリンパ節転移はないが、潰瘍瘢痕などにより内視鏡(胃カメラ)では切除の対象とならない場合、選択される場合があります。胃の出口(幽門)の筋肉を温存することで、胃の機能の多くが温存可能となります。
腹腔鏡下胃切除術 当科では2002年から胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術を導入し、2014年9月までに383件の腹腔鏡下胃切除術を実施しております。当科で腹腔鏡下胃切除術の適応としているのは、胃癌取扱い規約(第14版)のcStageIAとcStageIBのうちMP(固有筋層までの浸潤)症例です。
腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS) 胃粘膜下腫瘍の一つである消化管間質腫瘍(GIST)では腫瘍の切除が勧められます。胃の外側に張り出している場合には腹腔鏡手術で胃部分切除を、5cmを越えるような大きな腫瘍では開腹での切除を行います。GISTの中には胃の内側にだけ出っ張っている場合には、腹腔鏡だけでは腫瘍の正確な位置が判らない場合があります。そのため、手術中に内視鏡(胃カメラ)を併用し、必用かつ最小限の切除範囲を設定して胃壁の一部を切開してもらい、腹腔鏡で腫瘍を切除、切除部を腹腔鏡下に自動縫合器などで縫合閉鎖します。2014年から保険適応となった新しい術式です。胃の入口や出口に近い部位では切除後の変形で通過障害を生じる可能性がありますが、胃の変形が最小限ですみ、切除縫合部も手術中に内視鏡で胃内から確認することが可能です。
2) 胃癌切除術症例数
  2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
胃全摘 39 41 55 46 31
(うち腹腔鏡下手術) (0) (4) (11) (14) (4)
幽門側胃切除 82 69 86 88 55
(うち腹腔鏡下手術) (22) (28) (30) (40) (29)
噴門側胃切除 7 9 6 11 2
(うち腹腔鏡下手術) (1) (2) (1) (8) (0)
胃切除その他術式 2 5 1 2 2
残胃癌切除 2 4 7 0 3
合計 132 128 155 147 93